女神の機械槍

モンスターハンター関係の二次創作(イラスト・小説)ブログでしたが、最近はオリジナル小説に傾倒中です。

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「GUNNER'S HEAVEN」:Prologe「Overture」(11)-1

「…以上をもって、本日の会議の議題とする。何か、質問がある者は居るか?」

セレトが、集まった村人の顔を見回しながら問いかける。
村の集会は、ハンターズギルドを兼ねる、セレト宅の1階にで行われていた。

本日の議題は、今後の村の運営と、老山龍に対する防衛施設の造営の再検討。
特に、峡谷道の密林に繋がる部分の砦の早急な設置と、連絡用の「櫓(やぐら)」の設置が急務という提案が上がった。
と言っても、大半は村長の提案に、村人が意見を述べるだけ、というのがこの村の会議のスタイルなのだが。

「質問があります」
「なんじゃ、クローヴィス」
「あの、砦の設置は分かるんですが、何故『櫓(やぐら)』なんてのを作ろうと? 今の施設では不十分なのですか?」
「いや、櫓は防衛のためではなく、老山龍の進行を早期に発見し、村に連絡するための施設じゃ。その名の通り、火の見櫓みたいなもんじゃよ」
「できるだけ早い場所で老山龍を発見し、村に到達する以前に戦力を集中したい、という訳ですね」
「ああ、お主達には、また負担になると思うが、頑張ってもらえまいか」
「ヘイヘイ、わかったよぉ、村長さんの言う事なら、なーんでも聞いちゃうぜー! あの3人組のためにガンバりゃいいんだろー?」

セレトとクローヴィスの会話に、急にブロディが割り込んできた。
ブロディは、ディキシー達と仲が悪いこともあってか、あまり老山龍対策には積極的ではない。
村一丸となって対策を練っている時に、ディキシー達が嫌いだからと言って、あまり適当な態度を取られると、他の村人の志気が下がる。
ブロディの思っている事は、確かに内心誰でも思っている。
だが、だからと言って、奴らを計画から外すのは得策ではない。

村人に、ハンター経験のある人間は殆どいない。
正確な判断を下せるのが、自分だけである以上、断固たる意志をもって望むより他なかった。

「その通りじゃ、老山龍討伐には、奴らの力が必要…。 すまんが、櫓の造成指導、よろしく頼むぞ、ブロディ」

だがその返事は、明らかに不満を訴える視線だった。
それを無視し、村長はもう一つの懸案事項を議題に出す。

「それと、皆に聞きたいのだが…。今までに、何か、異様な姿の鳥を見たことがある者は居ないか?」
「鳥? どんな?」
「体長はよく分からんが、多分大人より少し大きい程度じゃろう。 そして、長い首と尻尾を持っており、故にパッと見は十字架に見える」
「十字架!?」
「いやだ、縁起でもないわ」
「何でもいい、この事について何か知ってる者はおらんか」

村人の間からどよめきが起こるが、返事はない。

…やはり、誰も知らないか。

昨晩の天体観測の際に見た、不吉な光景。
十字架の形をした生物が、大挙して飛んでくるなど、村長の長い人生の中でも経験した事がなかった。
セレトの妻に聞いても、もちろんそんな生物は知らないと言う。

そういえば、昨晩、マイノが自宅にやってきて、ボウガンの扱いを教えるようにあの青年ハンターに伝えてくれ、と言いにきていたが、正直それどころではなかった。

「本当に、誰も知らんのか?」
「主が使わした、俺たちの墓が空飛んでやってきたのを、鳥だと見間違えたんじゃねーか」
「ブロディ…! 貴様、不謹慎じゃぞ! まだそんな事を言っておるのか!?」
「ああ、言わせてもらうがよ、大体、あんな3人組に村の命運を掛ける事自体、正気じゃないぜ、村長!」
「そのために、ギルドからのハンターも雇っておるのだ!」
「そのギルドのハンターさんは、毎日女と遊び歩いててもか」

ジアドとゾラが、ブロディを睨みつけるが、ブロディはどこ吹く風で続ける。

「あのよ、俺だって、また16年前みたいな悲惨な出来事は御免なんだよ。 老山龍討伐、それについては異存はねぇ。 だが、やり方については意見させてもらう」
「何じゃ」
「あんたは、ギルド出身だからかもしれんが、ハンターに甘すぎる。 ここは俺たちの村だぞ!? ギルドのルールを、ここに持ち込むな! それで周りの連中が、気持ちよく働けるはずもない事を、村長であるアンタが分かってない訳はあるまい?」
「貴様こそ、わかっとらんわ! ハンターはその名のとおり、あの信じられないような力を持った怪物たちを、『狩る』事を生業とする者…。 普通に生活する我々とは、似て全く非なる存在よ。 村のルールなど、通用せんわ!」
「ハンターと一般人、そんなに違うもんかね」
「貴様の木こりが、誰にでも出来る作業というのなら、あるいはそうだろうよ」

村人がざわつく中、セレトとブロディは口論を続け、一歩も引く様子がなかったが、しばらくお互いにらみ合った後、ブロディの方が先に折れた。

「…オーライ、じゃあ爺様の言うことを信じよう。 ハンターさんは強い。 俺たちは黙って信じていろと。 それで良いんだな」
「むろんじゃ。 ギルドのハンターの戦闘能力、その時にしかと見るがいいわい」

ところが、その時、村長宅のドアを開けて走り込んできた者が居た。マイノだった。

「大変だ、村長…!」
「何じゃ、どうした!?」
「村長! アレは一体、どういう事なんだ? アンタが要請したギルドのハンター…。 アイツ、とんでもない詐欺師だったぞ!」
「何だと、詐欺師…? それは一体どういう事じゃ!」
「どうもこうも、奴は、老山龍討伐に来たハンターじゃないッ! 外に出て、自分の目で確かめてみろ、奴の弱さを!」
「そんな、バカなっ!」

だが、村中が一気にざわつき出す。

「そいつは…是非確かめさせてもらいてぇな」

村長の代わりに、ブロディがそう答える。
そして、会話が終わるのを待たずに、ブロディは事実を確認すべく、マイノの脇を抜けて外に出ていった。


集会にマイノが駆け込む1時間ほど前、タッシュは、ディキシーを伴って、青年ハンターの居るコルネット宅を訪れた。
もちろん、市販品のボウガン「アルバレスト」もケースに入れて持参済み。
青年ハンターの持つボウガンに「体液玉」をブチ込んで使い物にならなくし、ボウガンをすり替えた上でファンゴに襲わせる、それがタッシュの作戦であった。

だが、懸念点が一つ。
それは昨日、ディキシーとマイノが、青年ハンターのボウガンをすり替えようとしたら、失敗した事。
できるだけ自然に申し出たのに、何故か感づかれたのだ。
その事はタッシュに、一応伝えてある。

「お前の顔がマズいからだろ、バカが」

タッシュは一蹴したが、ディキシーにはそうは思えなかった。 顔云々の話ではない。 
あの青年ハンターは、やはり、自分たちが想像するよりも、遙かに強いのではないか?
もしかしたら、自分達の浅薄な目論見など、とうにバレているのではないか? …そんな風に感じたのだ。

まぁ、今日はマイノの奴が、村長に言って青年からボウガンを教えてもらうように言ってある。
少なくとも、昨日みたいな結末にはならないだろう。

コルネット宅の前で、青年ハンターが出てくるのを待つ二人だったが、予想よりもかなり早く青年ハンターは出てきた。
…隣に、コルネットを伴って。

横に居ても、タッシュの様子が激変するのが分かる。
しかし、タッシュはそれを押さえ込み、無理矢理に笑顔を作ると、にこやかに青年ハンターに話しかけた。

「こんにちは、ギルドのハンターさん!」
「ちはーっス、今日もいい天気すネ」
「やあ、こんにちは。 今日の1時が集会だったよね?」
「ええ、仰る通り、集会にはまだ時間ありますよ」
「それにしては、お迎えが随分早いね? 僕自身、絶対遅刻しないように…とは思ってたんだけど」
「いや、昨日、村長から話がありませんでした? ボウガンの事で」
「…どんな?」
「俺達に、ボウガンの扱い方を教えてくれませんか? 対老山龍戦のために、ボウガンの使い方を学びたいんです」

そういうと、青年ハンターは、一瞬怪訝な顔をした。

「いや、そんな話は聞いていないね」

タッシュとディキシーは絶句する。
そんなバカな。 
マイノの奴は、確かに村長に頼んだ、と言っていたのに。

青年ハンターは、事の成り行きを、隣に居たコルネットに確認する。

「コルネットさん、昨日の晩、村長さんは家に来られました?」
「もう、『さん』付けじゃなくて良いって言ってるのに…。 村長は昨日、一度も見なかったわ」
「ですよね。 …という事です」

後半は、タッシュ達に向けて言った言葉。
何かの行き違いか、村長は青年ハンターに出会う事が出来なかったらしい。

「き、昨日、どこか行ってたのかヨ?」
「何言ってるの? アンタ、私たちがデートしてるの、見てたでしょ?」
「い、いや、そうじゃなくて、その後の話だヨ!」
「その後って…。 ずっと、家に二人で居たわよ。でも、やっぱり村長は来なかったわ」

じゃあ、村長が青年ハンターに伝え損なったのか。
しかし、そんな事実はともかく、青年とコルネットのデートの話を聞いて、タッシュの雰囲気がさらに変化していた。
噴火直前の火山のような、ともすれば地響きすら聞こえそうな雰囲気。
噂で知ってはいたろうが、コルネットと青年ハンターがイチャ付いているのを眼前で見せつけられれば、穏やかで居られるはずもない。

「そうか、村長から話が届いてないのは分かった。 だが、俺たちは、ボウガンが扱いたいんだ。 貴方のボウガンを、見せてくれないか…?」
「…君らが、使っている武器は、何だい?」
「? こいつらが大剣とハンマー、そして、俺は双剣だが…」
「じゃあ、老山龍戦を戦うには十分だよ。 わざわざ、ガンナーに転職するまでもない」
「なっ…!?」

やはり、そう来たか。
ディキシーは、秘かにこの展開を予測していた。
タッシュは全然人の話を聞いていなかったが、この青年ハンターは、やはり、自分達の目論見をある程度見抜いているのだ。
自分達の意図がどうやってバレたのかは分からないが、昨日のマイノは、かなり自然な演技が出来ていた。 
アレでダメなのだから、多分誰でもダメなはずだ。

しかし、それでも執拗にタッシュは食い下がった。

「なあ、お願いだよ、どうしてもボウガンが見たいんだ…。 頼むから、貴方のボウガンの使い方を、教えてくれ」
「君らが担いでいるボウガンを展開しなよ。 その扱いなら、教えられるよ」
「どうしても…、どうしてもダメだってのかよ!」

青年は、困ったような表情をしばし浮かべた後、意を決した顔で言いきった。

「悪いけど、僕のボウガンは見せ物じゃない。 見せてほしい、触らせてほしい、という要望には、一切答えられない」
「それが、村長の意見であってもかッ!?」
「むろん。 そこまで村長に強制できる権限があるはずもない」

「(バカ、タッシュ、お前がそんなアツくなってどうすんだヨ…!)」

ディキシーの目から見ても、タッシュの様子は明らかにダメだった。
全身からありありと敵意を発散させているので、そんな状態でボウガンを見せろ、と言われても、応じるガンナーはまず居ないだろう。
どう考えてもボウガンをぶち壊されかねない勢いだ。

実際、隣のコルネットも、タッシュの様子を見て怪訝な表情を浮かべている。
タッシュは、怒りのあまり、もう演技ができなくなっていた。

「うるせえ! お前のボウガンを、見せろってんだよ! それとも何か? クソ弱いボウガン過ぎて、見せるの恥ずかしいってか!?」
「何言ってんのよ、アンタ? この人をバカにすると、私が許さないわよ!」
「やかましい! お前は黙ってろッ! これは男の話だッ!」

「(最悪ダ…)」

ディキシーは、もう諦めた。
どう考えても、こんな展開で、青年ハンターがタッシュにボウガンを見せるはずはない。
次のチャンスを待てば、まだどうにかなったかもしれないが、このタッシュの態度…敵意を通り越した、もはや害意としか呼べない感情

を発露させては、もはや打つ手はない。
この後、マイノが村中にファンゴをまき散らす予定なのだが、多分、簡単に撃ち殺されて終わる。
目に見えそうなほど、分かりやすい未来が待っていた。

「(マズい、作戦を中止して、ファンゴをまき散らすのを止めさせた方がいいカ…?)」

だが、その時、村の奥側から、ドドドと言う音を立てて、ブルファンゴが5匹ほど突進してきた。
ブフォ、という鼻息を鳴らして、全部がこちらを見定めた。

「きゃあ!?」
「!? コルネットさん、下がって下さい! どこか、家の中に避難を!」
「何だ、あレ!? ファンゴか?」

最後の台詞は、ディキシーの演技。
あまりにも白々しすぎて、我ながら、涙が出そうだった。
マイノの奴、こっちの「すり替え」の成否も確認せず、もう決行しやがった。
多分、今頃は集会所に飛び込んでいる事だろう。
青年ハンターは弱い、実は詐欺師だと言いながら…。

「何故、村の中にファンゴが…?」

そう言いつつも、青年ハンターは、自分のケースからヘヴィボウガンを取り出すと、それを展開した。

「…!?」

だが、タッシュとディキシーは、青年が展開したボウガンを見て驚愕する。
そのボウガンは、最弱のボウガン『アルバレスト』によく似ていた。

細部がちょっと違うし、タッシュが持ってる物と違って、明らかに丁寧に使われているが、どう見てもそれはアルバレストそのもの。

二人が動揺している間に、青年は、弾丸を装填すると、ファンゴの群の外側に居る個体から、次々と弾丸を撃ち込んでいく。

たった二発で、転がり倒れるファンゴ達。
突進を避けながら、青年は次々と、ファンゴを撃ち倒していった。

「な、何だと!?」

タッシュがその光景に驚いているが、驚愕には当たるまい。 
これが至極、妥当な結末だ。

だが、タッシュは、ディキシーの思惑を余所に、倒れたファンゴに近寄る。
そして、何事かを確認すると、やおら青年ハンターの方に向き直って、吠えた。

「…てめぇ、やっぱ俺達を騙してやがったな! このクソハンターがッ!」

そう言って、青年ハンターに駆け寄ると、まだ射撃途中だった青年ハンターの横顔を、拳で殴りつけた。

「ぐうっ!?」
「きゃああっ!」
「バカ、タッシュ! お前、何やってるんだヨ!」

一瞬血迷ったのか、と思ったがそうではなく、どうやら力づくでボウガンを壊そうとしているようだ。
殴りかかりながらも、ボウガンを青年の手から奪おうとしている。
しかし、青年ハンターはボウガンを抱え込み、決してタッシュには触れさせない。

「(駄目ダ、あの青年ハンター、こっちの意図を完璧に読んでやがル…。)」

ディキシーは、祈るような気持ちでタッシュを見る。
もう、集会から村人が出てくるまで、そんなに時間がない。
すり替えはもう無理であろうが、なんとか、ボウガンを駄目にするだけでも…!

だが、その願いは、空しく終わる。

村長宅から、村人がゾロゾロと出てきた。
そして、先頭に立っていた村長とブロディがこちらを見とがめ、青年ハンターを殴りつけているタッシュを一喝した。

「…タッシュ! 何やっとんじゃ、貴様っ!」
「村長! 何だ、コイツはっ! とんでもねぇイカサマ野郎じゃねーかッ!」

「何だ、どういう事だよ、そりゃ」

だが、代わりに返事を促したのは、ブロディだった。

「コイツが持っているボウガンの事、村長は知っていたのかッ!? 『アルバレスト』じゃねぇか! そんな銃で、老山龍が倒せる訳ねぇだろが!」

そうか、タッシュは青年ハンターの持っていたボウガンが、「アルバレスト」に似ていたのを逆手に取って、弱いボウガンだと言い張るつもりだ。
しかし、それはあまりにも無理がある。
確かに形状こそ似ているものの、青年のはそれなりに改造を施された物に違いない。
威力はおそらく、タッシュの持ってきたものとは段違いのはずだ。

しかし、それを知らない村人達が、ざわつき出す。
何にも予備知識が無ければ、今、眼の前に起こっている光景を信じるしかない。
タッシュがあれだけ「弱い」と言い切る、その根拠が何かあるのかも…といぶかしんでいるのだろう。

だが、村長がタッシュの発言を否定する。

「そんな事はない! お前らも知ってるだろうが、彼は何頭ものモンスターを狩ったんじゃぞ!?」
「それを誰が見た? 村の誰が知っている!? 罠で狩ったのかもしれないだろうが!」
「あたしが知ってるわ! 彼の強さは、一番あたしがよく知ってる!」
「豚は黙ってろッ! 老山龍を倒せなかった腰抜けの娘が何を言っても、説得力ねーんだよっ! 大方、父親と同じギルドナイトに同情しているだけだろうが!」
「そんな事ないわよ! その人は、本当に強いハンターよ!」

タッシュは、ディキシーの方を見て、何事か合図する。
言わんとする事はすぐに分かった。
シェリーを黙らせろ、というサインだ。
もう、毒を喰らわば皿まで。
勢いだけでこの場が乗り切れるはずもないが、ディキシーはタッシュの指示に従った。

「だからよ、今掴んだ証拠を見せてやる! コイツが、本当は弱いって事を、お前等に見せてやるよ!」
「何言ってるのよ! …やだ、ディキシー、止めてってば!」
「ちょっト、静かにしてろヨ、シェリー! 事実はすぐに分かるからヨ!」

「待ってよ、タッシュ! ちゃんと、その人は、ボウガンでファンゴを倒したじゃない! 私も、見てたわよ?」
「コルネット、お前も騙されてるんだよ! このファンゴは、倒されてなんてない! 『寝てる』だけだ!」

その瞬間、シェリーにはピンと来るものがあった。
多分、青年は「睡眠弾」を使ってファンゴの動きを止めたのだ、と分かった。

「それで良いじゃないの! そこが、ボウガンの凄い所なのよ!? アンタの双剣で、同じ真似ができる訳!?」
「黙ってろ、豚! 眠らせたから、何だってんだよ!?」
「ボウガンはね、汎用性に富んでいるのよ! 相手を毒にしたり、麻痺させたり出来るんだからね!」
「バカか、テメェは? やる気あんのか! 『老山龍』は寝ないし、毒にも麻痺にもならねぇ! 罠も効かねぇんだよ!」
「…嘘!?」

そう言って、シェリーは村長の方を見る。
村長は苦り切った表情で、コクリとうなずいた。

「老山龍を倒すには、火力の高い武器で、一斉に攻撃を仕掛けるしかない…そうだよな、村長」
「ああ、そうじゃ…」

すると、タッシュは、ボコボコに殴って地に伏せっている青年ハンターに向け、命令した。

「おい、今からファンゴを起こすからよ、お前のボウガンで撃ち倒せ。 お前が、ギルドのハンターって事を、村の人間に証明してみせろ」
「…。」

青年ハンターの目が見開かれ、鋭く燃え上がった。
下からギラリと睨みつける紅い目は、小さい頃に見た狼を思い出させ、一瞬、タッシュを恐怖させた。

「…な、何だ、テメェ、文句あんのか、このクソハンターがッ! おい、マイノ! ファンゴを起こせッ!」
「おお、わかった!」

ディキシーは、もう観念した。
なんという茶番だ。
勢いでここまで持ってきたのは良いが、そもそも、この作戦はボウガンをすり替えるか、細工しなければ意味がない。
それが分からないはずはないのに、何故計画を進める!?

この後、多分青年は、ファンゴを華麗に撃ち倒す。
そして、青年は村人を安心させ、自分達は、言いがかりをつけた「間抜け3人組」と陰口を叩かれるのだ。
眼の前では、喜々としてマイノがファンゴを起こしていたが、もはや道化に見えた。

マイノは、寝ているファンゴを蹴り起こそうとしたが、意外と硬かったらしく、揺り動かして起こしていた。
眼を覚ましたファンゴが、さっき自分を攻撃した青年ハンターの姿を見つけると、そちらに振り向き…。
鼻息も荒く、砂埃を上げながら、青年ハンターめがけて突進して来た。

それを、青年ハンターは、的確にボウガンの弾を撃ち込み、突進を止める。
そして、的確に連続で射撃を加える。 2、3発…。
なるほど、2発で済んだ睡眠弾の方が効果的だったのだろうが、それでも結果は同じだろう。
ファンゴは、もう倒れて昏睡するはず。

そして、青年ハンターは、4発目を撃ち込むと同時に、リロードに入った。
それは多分、4発でこのファンゴは倒れるから、次のファンゴに備えようという動作だった。
ディキシーには、そう見えた。


…だが、倒れるはずだったファンゴは、怯むことなく突進し、青年ハンターを吹き飛ばした。


<続く>
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丼$魔

Author:丼$魔
モンスターハンターをこよなく愛する熱・血・猿。

しかしどういう経緯を辿ったか、最近はオリジナル小説を更新中。

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