女神の機械槍

モンスターハンター関係の二次創作(イラスト・小説)ブログでしたが、最近はオリジナル小説に傾倒中です。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Ende der welt(Das ende(1))

「…そういう訳で、僕強烈に困ってるんニャ。死刑になる前に、どうにかしてくれんかニャ!?」

ここはポッケ村集会所。
テーブルには、オトモアイルー・リュウと、武器屋のオヤジ、それと亡きご主人を待ち続ける例のアイルーが座っていた。
身を乗り出して2人に問いかけるリュウに対し、武器屋の親父は話をまとめるように返事した。

「要はその、ご主人が怒ってる理由を一緒に考えて欲しい、って事だよな?」
「そう、そうなんだニャ! 僕にとっては超死活問題なんだニャ!」
「まぁ、分からなかったら死刑って言われてるくらいですからニャ…」

そう、リュウは彼のご主人から、死刑宣告を受けていた。
数日前、もう狩るモンスターが居なくなった、ということで、彼のご主人「煌竜・アスカ・ダールグレイ」は引退を決め、歌姫になって新たな冒険をするわ~♪との事で、ハンター生活のけじめとして、最後の相手にジャンプテオを選んだ。
リュウが原因で、変な寄生ハンターがクエストに乱入する事となったが、一応ジャンプテオは撃退、寄生ハンターも無事に退治した。
ただし、その時の戦闘が原因で、ご主人の脚に銃創が付いてしまった…。
次の日、アスカの武器防具を特価で売りさばいていた武器屋の親父を咎めたところ、そこに現れたご主人は超不機嫌だった。
何故そんな機嫌が悪いのか理由を聞いた所、アスカは猛烈に怒りだし、そんな事も分からないのかと言って、もう顔も見たくないとリュウに言った。
ご主人ともう会えない、と思った傷心のリュウは、ご主人の故郷を雪山に探しに行ったが、そこで異形のティガレックスと逢い、喰われそうになる。
だが、それを救ったのは、やっぱりご主人であり、間一髪の逆転劇でティガを崖から叩き落して勝利した。
それで仲直りしたと思ったが、ご主人は、やっぱりリュウが「アスカが怒っている理由」を分かっていない事に腹を立てていた。
脚に傷が付いたことでもなく、ジャンプテオの一件で怒っているのじゃなければ、何で怒っているのか。
さっぱり分からなかったリュウだったが、それが分からなければ、「死刑」だと言われた。

…長くなったが、これが、リュウの受けた死刑宣告の概要である。

「ホント長い、つーかくどい、そこまで延々としゃべる必要あったの?」
「あるニャ! っていうか、細かく説明しないと、どこに僕が怒られた理由があったのか分かんないニャ!」
「でもニャ…。正直な話、僕にはさっぱり分からないニャ…」
「だよなぁ、はっきり言って俺にもさっぱり分からん」
「そんニャ!」

しかし、まぁそれは妥当な返事だろう。
ご主人と共に生活してきたリュウだって、今回の件のご主人の意図がさっぱり分からないのだ。
意見を求めておいて失礼な話だが、他人であるこの二人が、ご主人の意図を掴めるとは思えなかった。
ただ、回答に至らずも、せめてヒントさえ掴めれば…と思ったのだが。

「ど、どうしよう…。今日中にご主人は出発するって言ってるから、それまでに回答を見つけないといけないんだニャ…」
「そうかぁ~、そりゃ大変だな」
「大変ですニャ…」
「何を呑気なリアクションしてるニャ! つーか、武器屋の親父も、ご主人にはさんざ稼がせてもらったんだから、もっと協力してくれてもいいはずニャ!」
「いや、それは重々分かってるけどさ、正直どうしようもねぇし」
「そうですニャ…。解けないパズルを眼の前に置かれてても、やっぱ解けないものは解けないですニャ…」
「そ、そんニャ…!!」
「なら、解ける人間を連れてこよう」
「え!? な、何か心当たりがあるのかニャ!?」
「いや、全然。でも、三人寄ればなんとやら、って言うじゃねぇか。人数増えればどうにかなるだろ」
「…。」

あっけに取られるネコ二匹をテーブルに置いて、武器屋の親父は、竜人族の女性であるギルドマネージャーを連れてきた。
…女性の事は、女性なら分かるって思惑だろうか?
アスカは、緊急クエスト以外で、ギルドマネージャーとはあまり会話してなかったように思うが…。
もしかしたら、単にその場にいた人を連れてきただけかもしれない、とリュウは不安になった。

「あらあら~、ネコちゃんたち、こんにちは。なんか大変な事になってるって聞いたけど」
「そうニャ!僕本当に困ってるんだニャ! 助けて欲しいニャ!」

そう言って、リュウはギルドマネージャーにさっきと同じ説明をもう一度繰り返した。
全く読めないご主人の意図を読み解くのに、この人は、何かきっかけになるヒントをくれるだろうか?
あわよくば、回答に至る一端を掴んでくれるだろうか?
藁にもすがる思いで、リュウは全てを伝えたところ…。

「…簡単じゃな~い、そんなの」

おおお!?、と溜息が3人(というか武器屋の親父とネコ二匹)から漏れる。
三人寄ればなんとやらと言ってたが、こんなあっさり分かってしまうなんて!?

「な、何ニャ!? 何でご主人が怒っているのか、答え教えてニャ!!」

リュウはテーブルから身を乗り出して答えを求めたところ。

…マネージャーは、アスカのそれとは全然違う、色っぽい仕草を見せてウインクした。

「?」

「ダ・メ。教えない」

「はぁ!?」

全員が派手にズッコける。

「だって~、それは、リュウ君が自分で見つけないといけない答えだと思うから~」
「…え? え?」
「つまり、こういう事だと思うの」

そう言うと、ギルドマネージャーは、武器屋の親父とご主人待ちのアイルーに、それぞれ耳打ちした。

「…ああ、なるほど、そりゃ教えられんわ」
「ですニャー…。これは、オトモアイルーであるリュウ君が、自分で見つけるべき答えだと思うですニャ…。」
「でしょ~、この答えが合っているなら、逆に教えられないわよね~、私たちにはその資格がないもの」
「ホントだよな、つーか俺たち、そもそもここに居る意味なかったな」
「全くですニャ」

そう言って皆でワハハと豪快に笑い合う。

「何を勝手に話を終わらせてるニャ!? 僕は困ってるんだって言ってるニャ!!」
「いや、悪いけどさぁ、これは俺たち返事できないよ」
「そうですニャ…。マネージャーの回答は、多分、いや、間違いなく正解ですニャ。お返事できないですニャ」
「じゃあ、何か、ヒント!ヒントだけでもくれニャ!!お願いだからニャ!」
「ヒント、ねぇ…。」

そう言うと、2人は許可を仰ぐようにマネージャーの方を見る。
マネージャーがうなずくのを見て、2人はそれぞれヒントを出してくれた。

「ヒントその1、アスカはお前が思っている以上に情けない」
「ヒントその2はですニャ、リュウくんはオトモ意識が強すぎることが邪魔してるですニャ」

…。

…分からんッ!! 
全く分からんッ!!
自分はさっぱり分からないが、回りはこれでも精一杯の助力をしてくれているのだろう。
「(そういや…。なぞなぞなんかでも、ヒント出してもらうと、余計に分からなくなるニャ…。)」
あまりにも煮詰まりすぎて、全身から脂汗が出てき始めた。

「…分かった?」

ギルドマネージャーが聞いてくるが、リュウは首を横に振った。
そんな時、酒場に一人の男が入ってくる。

「おい、みんな、ここに居たのかッ!? 村長が探してたぞッ!?」

先代のハンターだった。

「は? 一体何があるってんだ?」
「何、って、今日はわが村の英雄の出発の日だぞ! 見送りにいかなくていいのか!?」
「ええ!? 今日出発で、もうなのか!?」武器屋の親父。
「? いや、普通、旅に出るなら朝か昼の出に決まってるだろ。もう皆、村の広場に集まってるぞ!」
「分かった、すぐ行く! リュウ、また後でな!」

そう言って、武器屋の親父とアイルーは出て行ってしまった。
本当に、彼らの中ではこの話は決着が付いたものになっているのだろう。
だが…。

「そんニャ…。」

急に、目の前が暗くなる。
確かに、今日出発だとは聞いていたが、出立時間がこんな早いとは思わなかった。
というか、ご主人からは聞いていなかった。
それは、「『正解』にすぐにでも気付け」ってニュアンスだったのだろうか。
それとも…。

「ご主人は、やっぱり、僕の事が要らな…」

もう一つの嫌な可能性に考えが至ると、急に苦い思い出が込み上げてきて、後は言葉にならない。
涙がポタポタと零れおちてきて、床に灰色の沁みを作った。

「そんな事ないわよ~、アスカちゃんは、貴方の事大事に思ってるわよ」
「え?」

マネージャーがリュウの頭を撫でながら優しく諭す。

「口止めされてたけど、彼女はね、貴方が居なくなった日に、必死で村じゅうを探しまわってたのよ」
「…!」
「それで見つからなくて、貴方が村の外に出たんじゃないかって事になったとき、彼女はどうしたって思う?」
「…。」
「古龍観測局にね~、強引に捻じ込んで貴方を探させたのよ。結構な額の『古龍生息域観察費』と引き換えにね」
「ご主人が…!!」
「だから、大丈夫。あなたたちの絆は、そう簡単に切れたりしないわ~」
「でも…、でも…!」

絆が強いと言われても、今のアスカは、間違いなくリュウを試している。
それは彼女の態度から明確に伺いしれる事実。

「…じゃあねぇ、今までこの村を救い続けてくれた貴方たちに、大サービスで教えてあげるわ」
「な、何を!? もしかして、答え!?」
「ううん、答えじゃなくて、必勝法~。彼女から、答えを引き出すためのテクニックよ」
「何!? それは、どうすれば良いんニャ!?」
「彼女に直接聞いてみるのよ」

ガッカリ。

「それは、もう既にやったニャ…。」
「貴方がどんな風に聞いたかは知らないけど、多分それは『押し』が足りないのよ~」
「そ、そうかニャ…? 僕としては、結構喰い下がったつもりだったんだけど、どんなレベルで押せばいいんニャ?」
「簡単に言えば~、『ご主人が答え教えなかったら、僕、腹を掻っ捌いて死ぬニャー!』か、『答えが分からなくて、ご主人から殺されても付いていくニャー!』とかのレベルで」
「どっちも死んでるニャ!! つーか、そんなんで上手く行くのかニャ!?」
「大丈夫よ~。母性本能が強い娘って、なりふり構わず甘えれば『…ああ、この人、自分が居ないとダメなのね…。キュン☆』となっちゃうから、思わず何でも許しちゃう可能性大よ。どれだけ貴方が命とプライドを捨てられるかがカギね」
「なんか、凄いあやふやな話で、逆に心配になってくるんニャけど…。つーか、そもそも、ご主人って、そんなに母性本能強いタイプ?」
「大丈夫よ~。だって、あの娘、結構胸大きいもの。きっと母性本能も強いわ」

聞かなきゃよかった。

<続く>
スポンサーサイト

*Comment

No title 

次が最終回って言ってたのに・・・
続きを・・・!早く続きをーーー!!!

めっちゃ面白いです!
  • posted by 塩 
  • URL 
  • 2009.08/23 16:05分 
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

丼$魔

Author:丼$魔
モンスターハンターをこよなく愛する熱・血・猿。

しかしどういう経緯を辿ったか、最近はオリジナル小説を更新中。

最近の記事

月別アーカイブ

FC2カウンター

右サイドメニュー

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。