女神の機械槍

モンスターハンター関係の二次創作(イラスト・小説)ブログでしたが、最近はオリジナル小説に傾倒中です。

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「GUNNER'S HEAVEN」#3(10)

ヴォーデンとの決戦、様々なシミュレーションを繰り返してきた俺たちだったが、それは相手も同様だったらしく、シャルルの攻撃を無力化するために、連中は「人間の盾」を使う事を考案していた。

これにより、俺たちの奇襲は完全に封じられた。
なす術もなく倒されるのか…と思った刹那、王子の安否を左右する交渉をとっさに思いつき、ヴォーデンの部隊を二つに分ける事に成功した。

これで、多分ビアンカは助かる。
その時はそう思った。

だが、実際に盤面で手を進めてみて、初めて分かる事もある。
攻撃力に勝るシャルルと、防御力に優れた俺が二人一組で挑んで初めてヴォーデンを倒す事ができるのに、防御担当の俺一人では、敵を制圧する事ができない。
なので、俺が生き延びるには徹底して逃げるか、シャルルの救援を待つしかない。

だが、これほど早々に馬が狙撃され、機動力が奪われたこと、群がる敵兵の数が急激に増え続けつつあること…それは予想だにせぬ誤算だった。


パパパ、バババ…。

遠くから俺を襲う弾丸は、まるで夏の遠雷のごとく不気味な轟きをもって、雲霞の如く徐々に俺に迫ってきた。

「逃げなくては」と気ばかり焦るが、弾丸を自動で防御する右腕に体勢を乱され、走る事すらままならない。

と言うより、恐怖で体が強ばっていた。
群がる敵兵の数十人、そいつら全員が銃を小脇に抱え、俺を殺そうと悪鬼の形相で迫ってくるのだ。

悪意、害意、敵意、殺意…。
あらゆるマイナスの感情と意志が、弾丸という明確な凶器に変じて、束になって襲いかかってくる。
それは、筆舌に尽くし難いほどの恐怖だった。

「(逃げるんだ…! 何モタモタしてる、俺!)」

脳裏では分かっている。
銃撃戦では動いて的を散らさないと、被弾率は大幅に上昇する。
止まれば死あるのみ、だ。

だがそう思った瞬間、左足に引き裂くような激痛が走り、バランスを崩して転倒する。
まさか、と思って下を見ると、左足のふくらはぎから大量の出血があった。
跳弾したか、それとも多すぎる数を捌ききれなかったのか。

「(何で…鎧を身につけていたのに!)」

なんという不運。
馬を撃たれなければ、もっと結末は違っていたというのに。 

いや…遅かれ早かれ、結果は同じか。

弓師ウィリアムのリンゴの逸話にもあるように、被弾の可能性がたった1%だとしても、無限回の射撃(試行)の前では、結果として必ず被弾する。
100日目の興業の日、弓で頭を貫かれて死んだ、彼の息子と同じように。

俺の場合、その1%の被弾の時期がちょっと早く来ただけで、死ぬという前提には何ら変わりはないのだ。

そんな事を脳の奥でうっすらと考えた瞬間、喉元に誰かの冷たい手が掛かったような気がして、俺の意識は忘我の境地へと逃避しつつあった。


  *   *


ヴォーデンにとって、鎧の奪還はもちろん最重要事項だった。
そのため、マルクが「王子の命」…すなわち鎧の所在で駆け引きを仕掛けてきた時、疑わしいと感じながらも応じざるを得なかった。

マルクの突然の逃走に対応するため、ヴォーデンは部隊を二つに分けた。

①「自分」+「ボウガン隊」
 >マルクを射殺し、黒龍の鎧を回収する

②「側近」+「歩兵隊」+「人間盾」
 >人質でシャルルの動きを封殺し、拘束する

この局面、これがベストの選択だと判断した彼は、部下に指示を飛ばすと共に、一気に戦陣を展開させる。

「追えッ! マルクを殺せ! トドメを刺した者には、一年分の給金をやるぞ! 欲しくば、奴を追って狩り尽くせッ!」

「うぉおぉおおぉおぉーーーっ!」

ヴォーデンの激に応じた部下達は、志気高くマルクを追跡し、ついに射程に彼の姿を捉えた。

「鎧の力には時間制限がある! 距離を保って射撃を繰り返せ! そうすれば、必ず宿主の体力が先に尽きる! 決して近づくな! だが気を抜かず射撃せよ!」

「おおおおぉぉーっ!」

興奮で高ぶった部下たちの返答は荒く、幾重にも重なる銃撃音の協奏曲は、実に暴力的に轟いた。

そして彼の目算どおり、銃撃の嵐に捕まったマルクの命は、もはや風前の灯火だった。


  *    *


そして、場面は歩兵に囲まれたシャルルに移る。

「シャルル将軍、ご投降を! わずかでも身動きすれば、子供らの命はありませんぞ!」

ヴォーデンの部下、ボウガン騎兵2名のうち、人質を取っていない方が、降伏を勧告してきた。

「貴様ら、子供を放せっ! そんな下劣な真似をして恥ずかしくないのかッ!」
「愚問ですな! 我らの意向は、ヴォーデン将軍と同様です! さぁ、大剣をお置き下さい! さもなくば、子供の首は地面に落ちますぞッ!」
「く…!」

子供の人質は7名、彼らを拘束しているのはいずれも片手剣使いの歩兵。

そして、シャルルをじりじりと包囲してくるその他の兵が20名ほど。 珍しい事に、一部に槍兵やハンマー使いが混じっていたが、大勢の殆どが片手剣使いと見て差し支えないだろう。

これだけの戦力ならば、大剣を使えれば勝算はある。

「ああっ…! 助けて、助けてーー!!」
「さぁ早く! 子供の命がどうなっても良いと言うのですか!」
「助けて! 助けてぇ、お姉ちゃーーん!!」

だが、人質…子供を盾に取られては、剣を振るう事はできなかった。

「待て、やめてくれ! このとおり剣を置く! だから、子供たちに刃を向けるのはやめろッ!」

そう言って、シャルルは大剣を地面に置いた。

それを見たヴォーデンの部下は、ボウガンを小脇に抱えたまま、シャルルに対し何やらジェスチャーをする。
それは「剣から離れて四つん這いになれ」という意味で、彼女は歯噛みしつつもそれに従う。

シャルルが四つん這いになると同時に、雑兵が彼女のカブレライトソードをあっと言う間に奪い去っていった。

「よし…。 ありがとうございます、シャルル将軍。 これで今生のお別れですね」

「…待て、一つ聞きたい事がある」

四つん這いのまま、シャルルは顔を上げて問うた。

「何でしょうか?」
「貴様の名は何という」
「…まぁ、よろしいでしょう。 クヴィデラと申します」
「クヴィデラ、貴様等は、本当にこれで良いと思っているのか?」
「…何? どういう意味でしょうか?」

問いかけるシャルルの言葉に、一段凄みが増す。

「人間を盾として使うという下策…。 そんな事をして、騎士としての誇りは傷つかないのかと聞いている」
「ああ、またそれですか…。 先ほどもお答えしましたが、ヴォーデン将軍と同様に、我ら覇道の騎士にとっては目的の完遂こそが至上です。 手段などは二の次に過ぎません」
「ほざくな! 騎士を名乗るなら、まず民草の命を護ればこそだ! そもそも同じ人として、良心すら痛まないと言うのか! クヴィデラ、貴様らの父母堂は、かくあれと貴様らを育ててきたのか!?」

シャルルの正面からの叱咤に、クヴィデラは顔を歪めた。

「もう一度問う! 貴様には、人の命と魂の尊厳、それを敬い、慈しむ気持ちがあるか! あるのなら、人質を解放して、正々堂々と勝負せよ!」

その舌鋒に、クヴィデラは一息つくと、淡々と答えた。

「我々には、そんな気概はありませんな」
「…何」
「我々が求めるものは、個人の名誉ではなく、組織としての統制と題目、そして国益です。 いうなれば、小を殺し大を生かす合理的思想です」

そして、人質となっているストリートチルドレンを見下ろしながら、言う。

「ご覧下さい。 こんな屑ども、生かしていて国益になりますでしょうか? 将来の犯罪者の種、その雑草を今刈り取った所で、何の問題があるというのですか」
「彼らは雑草などではない! 民草への愛なくして、どうして国土が栄えるものか! 取り消せ、その発言!」
「民草への愛はありますとも。 生産層や富裕層に対する、ね」
「何を傲慢な…!」

貧困層の姿は、その国の施政の欠点をそのまま浮き彫りにしている場合が多い。
だが国臣であり、同じく貧困層出身のシャルルにとっては、その事実を自ら口にする事はどうしても躊躇われた。

「人として生きようとするのに…同じ目の前の命を見殺しに、できるのか」
「我々は、人である前に軍人です。 組織の中にあっては我を殺し、命のままに動くだけです」
「それは自分の責をヴォーデンに転嫁しているだけだろうが!」
「仰るとおりです。 が、それが部下たる者の努めですよ」
「本気か!? 貴様等も、それで良いのか!」

シャルルは人質を取っている兵や、周囲の兵に向かって問いかけたが、連中はとニヤニヤ笑いを返すばかりだった。

「シャルル将軍、正直な話、こんな話題は、何度繰り返そうとも無駄ですよ」

ビアンカを人質に取っている、もう一人の騎馬兵が口を挟んできた。

「…何?」
「我々は、勝つ事だけが目的なんです。 理由は後からついてくる。 ヴォーデンの尻馬に乗っていれば、美味い飯が食べられる。 だから従っているし、クズの命なんてどうでもいい。 ただそれだけの事です。 なぁ、クヴィデラ」

この話題に多少なりとも飽きたのか、同僚が本音を漏らした時、クヴィデラも口の端を笑みの形に歪めた。

「そうか、それが貴様らの答えか…」

対して、愕然としたシャルルの口から漏れた言葉は、心からの怒りに溢れていた。

「そういう事です。 皆が、貴方の頭の中だけで夢想しているような人間ばかりではないのですよ」
「よく、分かった。 貴様らが真の外道という事が」

それを聞いて、クヴィデラの顔が紅潮する。

「…シャルル将軍、口をお控え下さい。 今の自分の立場をご理解しているのですか」
「そうだな、違った。 貴様らは煮ても食えぬ本物の雑草だったな」

その皮肉に、クヴィデラは怒号で答えた。

「全員、突撃! この女を殺せッ!」
「うおおぉーーっ!!!」

怒号と共に、一斉に片手剣の兵士たちが刃を振りかざしてシャルルへと襲いかかる。

だが、クヴィデラはシャルルの実力を見誤っていた。
ヴォーデンからの命令は「拘束」であったのに、怒りに任せて突撃する事は、軍神の写し身たる彼女に、チャンスを与えただけだった。

「ぎゃああっ! ぐわぁっ!」

女にしては野太い声だな、とクヴィデラが思った瞬間、彼は状況が一変したのに気が付いた。

「ぎゃあーっ! あひぃーっ!」

シャルルは、先陣を切って飛びかかってきた兵士を素手であっさり捕まえると、後ろ手に拘束して密着する。
勇み足で放たれた刃がシャルルを襲うが、彼女はその攻撃を、捕らえた兵士の体を使って防御したのだ。

「だだ…。 だすげで…。 こいつ、ひどい…」

「私に向かって攻撃すれば、コイツが死ぬぞ! それでも良いのか!」

「に、にに、人間の盾、だと…!? 貴様ッ…!」

「止めでくれ! 斬らないでぇ! お願いだっ!」

予想外の展開に、戦局が硬直する。
その隙をシャルルは逃さなかった。

人間盾を片手で抱えたまま、腰のポーチから閃光玉を取り出すと、ビアンカを拘束しているボウガン騎兵、彼が乗る馬の鼻先へと投げつけたのだ。

「ヒヒィーン!!」

馬は基本、臆病な動物である。
突如の閃光に怯えた馬は、身を護るように大きく全身をよじり、騎乗していた兵は、当然ながらビアンカと共に落馬した。

それを見定めた瞬間、シャルルは人間盾を捨て、モンスターの素材を剥ぐブッシュナイフを腰から抜きざま突進する。
転倒の隙に、騎兵とビアンカを繋ぐ拘束具を、「気」を込めたナイフで強引に切断すると、腰のポーチから今度は「けむり玉」を取り出し投げる。

この一連の動作に要した時間は、たったの3秒。
神速にして会心の奇襲だった。

それに対応しようとして、クヴィデラが取った行動は、ビアンカとシャルルへの貫通弾連射。
だが、白煙に消えた射線の先から、馬と兵士の絶叫が聞こえてきた時、対応は失敗だと直感した。

「ぎゃああっ!?」
「ぐわぁッ!」
「ごふっ!」

広がる白煙の中、周囲から次々と響く部下の悲鳴。
まさか、シャルル将軍は視界を絶った状態でも戦えるのか、と恐怖したクヴィデラは、ならば次善の策をと、人質…ストリートチルドレンを抱えている兵士に近寄った。

「止めろ、シャルルッ! これ以上、我らに向かって刃向かうのならば、本当にガキどもの命はないぞッ!」

だが、まもなく煙が晴れた時、クヴィデラに取ってはさらなる衝撃の光景が現出した。

彼の部下…。
紅龍騎士団の歩兵部隊は壊滅し、彼とその部下を残す全員が、地に伏していたのだ。

「な…!? まままま、まさか…!? 何故…!?」

対して、そして人質だった6人の子供たちは一団になって固まっており、彼らを護るように、シャルルとビアンカが二人揃って立っていた。

「な、なじぇ…。 なじぇ、なじぇぇっ!?」

あまりの状況の変化に、パニックになって過呼吸を起こしかけるクヴィデラ。

だがシャルルは、ビアンカが「視界を奪われた状態でも動ける」事を知っていた。
その理由までは分からないが、ゴッドフリートから逃走する際、彼女はけむり玉の白煙の中で、周囲の障害物を全く問題にしなかった事を覚えていたのだ。

だからシャルルは、この局面を打開するためには、ビアンカの助力が不可欠だと理解していた。
そしてこの逆転劇は、シャルルの正確な判断が導いた当然の結果だった。

「きき…貴様ッ! さっき、騎士の誇り! 人質…! 誇りが傷ついたって…!」
「おい、落ち着けや兄ちゃん。 何言いたいんか全然分からへんで」

拘束から解き放たれたビアンカが、悠然と揶揄する。
クヴィデラは一息つき、呼吸を整えると、大声を上げた。
先ほどまでの騎士然とした雰囲気はどこにもない、下品極まる口調だった。

「さっき、貴様ぁ! 人質を取るのは下策って言ったろうがようぅ!? 人質取って、騎士の良心が痛まないのかってぇ!」
「…はぁ? そもそもお前等は人間やのうして、雑草やんか! それに何の問題があんねん、ボケ!」
「なにぁ…!?」

少し顔を赤らめたシャルルが、何か補足をしようと口を開いたが、ビアンカはそれを制止して続ける。

「それになぁ、騎士の約束ってのは、相手が人間の時だけや! お前等みたいな外道相手に、約束を守る理由は全くあれへん! むしろな、シャルルはこの子供たちの命を救うために、あえて自分の名誉を犠牲にしてんねんぞ、それが分かるかハゲ!!」
「なっななな、なぁ…」

混乱の度を増すクヴィデラに、シャルルが淡々と語りかける。

「クヴィデラ…。 これが最後だ。 その子を離してやってくれ。 それが、騎士としての最後の誇りだ…。 代わりと言っては何だが、この申し出を飲めば、私はお前をこのまま見逃してやる」
「…。」

だが、提案を受けたクヴィデラの返答は、常軌を逸したものだった。

「ほぎゃっ」

彼は、貫通弾をリロードすると、何故か人質を抱えていた、部下の頭を撃ち抜いた。

「…!?」
「破滅だ…。 もう、俺は破滅だ…」

この失敗の責を問われれば、おそらく死罪となる。
それを自覚したクヴィデラは自暴自棄となり、退路なき窮鼠の如く、牙を向いて反撃してきたのだ。

「…死ね。 お前等、全員、死ねぇッ!」

クヴィデラのボウガンが、子供たちの方を向いたのを見たシャルルは両手を広げながら走り込み、盾となるべく子供たちの前で仁王立ちになる。

「死ねッ!」

クヴィデラのボウガンが、シャルルと子供たちを地獄の道連れにすべく、幾重にも火を噴く。
だが、それを見たビアンカは、地を這う低い体勢で突進し、馬に蹴りを入れてクヴィデラの体勢を崩すと、殺された兵の体の下から、最後の人質を救い出した。

そして、ビアンカは人質の安全を確認すると共に、クヴィデラの後頭部に、「気」を十分に込めた飛び蹴りを思い切りブチ込んだ。

クヴィデラが馬の背から、まるで壊れた人形のような体勢ですっ飛んでいき、回転しながら地面に叩きつけられたが、彼の安否などどうでも良かった。
ビアンカは、慌ててシャルルに駆け寄る。

「シャルル! 大丈夫か!?」
「お姉ちゃーーん!」
「お姉ちゃん!」
「騎士さま!」

だが、クヴィデラの銃撃から子供たちを護るべく、仁王立ちになっていたシャルルは…。

銃弾を全身に浴びて、血塗れの状態で倒れていた。

「シャルル! おい、シャルル!」
「ビアン…カ…。 みんなは、大丈…夫…?」
「喋んな! 今、回復薬グレート飲ますからな!」
「私…は、大丈夫…。 それよ…り、マルクを…」

まずは止血と判断したビアンカは、シャルルのポーチを探って、回復薬グレートを飲ませる。
これで失血死は無くなったが、シャルルの体内には、おそらくハイメタシリーズを貫通した弾丸が残っている。

弾丸を摘出するには、街の療養所で手術をしなくてはならない。
つまり、現時点でもう戦闘を継続する事は不可能だ。

「お願い…マルクを…」

シャルルの傷は見る間に回復していくが、ビアンカの考えを裏付けるかのように、その動きは極めて鈍い。

「…いや、無理や」
「マルクを…」
「無理や、シャルル!」

ビアンカは、シャルルの上半身を起こし、マルクたちの一団を見せる。
そこには、ヴォーデンの指揮の元、ボウガン隊から一斉銃撃を受けるマルクの姿があった。

「見てみ…! あの数のボウガン隊に囲まれて、何が出来るっちゅうねん?」

ビアンカの声は、震えていた。

「でも、鎧が」

確かに、黒龍の鎧の「自動防御」は、見たこともないほどに激しく反応していた。
だが、だからそれがどうしたというのか。
自分たちがマルクを救う手段は何一つない。
ビアンカの脳裏に浮かぶのは、近づいただけでハチの巣にされる自分の姿だった。

「無理や! 素手のウチらに、あれだけの数のボウガン隊に対抗する術はあれへん! ウチらはマルクを救えへん!」
「ビアンカ…!」
「理解してくれ! 無理なんや! アンタは優しい奴やけどな、世の中ようできん事やって、ある! マルクを助けるのは不可能や! おい、ガキんちょども! あの連中が戻ってくる前に逃げるで! 捕まりとうなかったら、全力で走らんかい!」

それを聞いた子供たちは、一同が目を剥いて立ち上がる。

「逃げるで、シャルル!」
「…待って、ビアン…カ…」

だが、ビアンカはシャルルを背負いながら叫ぶ。

「すまん! 本当に申し訳あれへん! 悪いのはウチや! でもしょうがないやん! 後でいくらでも謝ったる! マルクの墓にも参ったる! だから逃げよう!」

自分の声に涙が混じっている事に、ビアンカは自身で驚いていた。
つき合いのほとんどないこの2人に、これほど感情移入しているなんて。

「ビアンカ…」
「うちだって…くやしいねん…! 分かってくれ、シャルル…!」
「違う、空を…!」
だが、その瞬間、ビアンカの周囲が暗くなった。
雨雲か、と思って見上げたその空に存在していたものは。

<続く>
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*Comment

!? 

まさかのガンナーズの更新とは!

久々すぎて若干繋がらないので見直してきますww
  • posted by ユラ 
  • URL 
  • 2014.09/02 13:26分 
  • [Edit]

お待ちしてました! 

うおおおついに更新来たあああ!
リヴァイアサン、ガンナーズの2本立て進行とか贅沢過ぎてつらいですw

これからも更新楽しみに待ってます!
  • posted by brave 
  • URL 
  • 2014.09/02 14:12分 
  • [Edit]

Re: !? 

> まさかのガンナーズの更新とは!
>
> 久々すぎて若干繋がらないので見直してきますww

実は俺もかなりの部分繋がってませんw
正直、間が空きすぎて、「あれこの先、どんな展開の予定だっけ」状態なんだよー、マジだよー。
  • posted by 丼$魔 
  • URL 
  • 2014.09/05 01:30分 
  • [Edit]

Re: お待ちしてました! 

> うおおおついに更新来たあああ!
> リヴァイアサン、ガンナーズの2本立て進行とか贅沢過ぎてつらいですw

喜んで頂けるのは嬉しいのですが、2本立ては訳が分からなくなりますねw
まあ、とにかくがんばりす
  • posted by 丼$魔 
  • URL 
  • 2014.09/05 01:34分 
  • [Edit]

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丼$魔

Author:丼$魔
モンスターハンターをこよなく愛する熱・血・猿。

しかしどういう経緯を辿ったか、最近はオリジナル小説を更新中。

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