女神の機械槍

モンスターハンター関係の二次創作(イラスト・小説)ブログでしたが、最近はオリジナル小説に傾倒中です。

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リヴァイアサンズ・メルヴィレイ(34)

DATE : H27.1.26
TIME : 20:51
STID : 00941724


「礼雄、お前はまず人の話をしっかり聞け。 話はそれからだ」
「…ふぇい」

俺が「魔法の本」を無駄にした顛末を龍真に報告したら、ある意味当然だが、散々怒られた。

うかつな行動をしたと言うより、話を聞いてなかったというのが、我が友人の逆鱗に触れたポイントみたいだけど。

「魔法の本はな、複数人で攻略した方が絶対に良い。 明日、僕のマンションに来い」
「…あの、ソロじゃ解けない難易度なの、これ?」
「このゲームに搭載されてる『レコメンダシステム』のせいかもしれないが、どうも自分の不得意なジャンルの問題ばかり出るんだ」

龍真がそう言うんなら、もうどうしようもないな。

「じゃあ、ソロだったら、もう完全に運頼みかよ」
「ああ。 難易度調整のつもりか、時々『3択の本』『ジャンル選択の本』とかは売ってるが、同じくらい高いぞ」

ヒドい。 この運営、ヒド過ぎる。
マジで血も涙もない。

「だから、明日は僕のマンションに来い。 僕とのぞみと、お前の3人でクイズを解こう。 三人寄らば文殊の知恵、だ」

そうだな、そうしようか。
でもなぁ、レポートがあるんだよなぁ…。

「む…なら、仕方がないな。 定例イベント発表の直前までレポートをやると良い」

おいおい、俺がマンションに来るって事には変更ないんだ!?

「もちろんだ、明日は定例イベントの発表だぞ。 早めに対策を立てた人間が優位になるのは、もう分かっただろ」

まぁ、そりゃそうだけど。

「それに…イベントで優勝すれば、リヴァイアサンの秘密を知れる可能性が高まる」
「優勝する気なのかよ」
「無論だ。 与えられた機会に、全力で挑まずしてなんとする」

そこまでして本土に行きたいのか。
てか、誰と逢いたいんだよ、お前。

「それはまだ秘密だ。 とにかく、お前は僕との約束どおり動いてくれ」
「分かったよ、分かった頑張ります」
「その代わりと言ってはなんだが、何かあったら言ってくれ。 恵方海苔巻きにせよ、できることがあれば手伝うぞ」

「…あ。 そういや、龍真、ありがとう」
「何だいきなり」

海苔巻きで思い出したが、龍真のアイデアのおかげで、50人前の大口が取れた事を報告した。

「そりゃ良かったじゃないか、これで心配ごとが一つ減ったな」
「ああ、本当に助かったよ」
「なら、明日は待ってるぞ。 皆でクイズに挑んでから、イベントの告知を待とう。 おやすみ」
「ありがとう、おやすみ」

そういって電話を切り、時計を見るともう10時過ぎていた。
装備を整えていただけなのに3時間も経つなんて、オンラインゲームの時間泥棒ぶりは、本当に恐ろしいよな…。

でもまぁ、このゲームなら、課金すれば遅れとかすぐ取り戻せそうだけどな。

「…」

一瞬、恵方海苔巻きの1万円も課金に使おうか、などと思った。
そうすれば、何の苦もなく100,000Cenが手に入る。
さっきの氷の魔法の盾とか、もっと良い装備が買える。

…だが、しばらく考えて、俺は首を振った。
現実で得たお金は、現実だけで使うべきだ。
そんな事をやってたら、本当に廃課金厨になってしまう。

「…風呂入って、勉強しよ」

明日も朝からバイトだし。
福祉総論の語句調べも続けなきゃだし…。

ああ、大学生、忙しいなぁ…。


DATE : H27.1.27
TIME : 11:22
STID : 00941724


俺はその日、職人芸を見た。

先日の土方連中…マサキという名のニッカ青年が、今日は一人でウチのコンビニにやってきたのだが、ドリンクと弁当を、山と買い込んでレジに持ってきた。

そして、レジを担当していた保科が彼に対して、件の職人芸を見せたのだ。

「お疲れさまです、買い出しですか? 大変ですね」
「ああ、でもこれが後輩の勤めだしな、しょうがねぇ」
「近くで工事でも始まるんですか?」
「俺たちは大工の手取りだよ」
「そうだったんですかー。 お弁当は全部暖めますか?」
「頼む。 あとネビウスのエクストラライト100ボックスと、メゾピアノのアイシーンもくれや」
「かしこまりましたー」

どうやら、マサキ青年は、現場の先輩に言われて買い出しに来たらしい。
弁当を暖めるまで、少し暇ができる。
保科は、客がレジ近くに居ないのを確かめると、

「ところで、当店では節分の恵方海苔巻きフェアをやってるんですが、併せてご予約などいかがですか?」

なんとその時間を利用して、「ご一緒にポテトはいかがですか?」的な営業に出たのだ。

「…海苔巻き? 要らねぇよ」

当然のごとく拒否されたが、保科は粘り、

「現場の先輩方にもどうですか? 片手でも食べられますし、その日一年幸せに過ごせる、という縁起物ですよ」

「…ほぉ。 じゃあ、そのチラシ1枚くれよ」
「ありがとうございます! よろしくお願いします」

と、チラシを渡すことに成功した。

…なるほど。
大工の現場で働いてるから、片手とか縁起物とか、ああいうワードで誘い込む訳か。
それに、自分が食べなくても、先輩の誰かが食べるかもだしな。

「お会計、4,000と45円になりまーす」
「5,000円から」
「お返しは955円になります。 どうぞお確かめ下さい」
「おう、またな」

そう挨拶して、袋両手にマサキ青年は去っていった。

「ありがとうございましたー」

保科は深々と礼を返す。

…すげえな保科。
これが本物の営業、って奴か。
でも、恵方海苔巻きの締め切りは今日だったろ?
せっかく営業しても、チラシが今日中に返ってこないなら間に合わないじゃんか。

「良いんですよ、間に合わなくても。 店の売り上げにはなりますから」

と、保科は笑顔を張り付けたまま、そう言った。

「…よくまぁ、そんな笑顔できるよな。 保科は、このバイト、楽しいのか?」
「そりゃ、楽しくはないですけど、買ってくれてありがとう…って思えば、自然と笑顔出ますからね」
「マジで? 楽しくもないのに、よく笑えるな」
「てゆーか、楽しいから笑う、そうじゃないから笑わない、ってガキ過ぎでしょ」

いや、それが人としてあたりまえじゃないのか?

「でも、社会人としてはどうですかね。 人と接するのに気を使うからこそ、相手からも好感持たれるんですよ」

そして、保科の顔から笑顔が消え、無表情になった。

「誰からも無条件に愛される、なんて思ってる方がどうかしてる」
「…おい、それ、俺のことか?」
「いえ、一般論です。 家族としか逢わない連中の、ね。 もし礼雄くんの事だけなら、もうちょっと気を使った言い方しますよ、僕は」

こいつ、本当にオタクとか無職が嫌いなんだな。
っていうか、その割には案外そういう連中のこと、良く知ってるよな…。

だが、保科は無表情だった顔に、笑顔を貼り付け直した。

「ま、この話はこれくらいにしましょうよ。 そういや、新人さんの話聞いてます?」
「新人?」
「ええ、店長が新しく雇うみたいですよ。 割と近所の学生さんだそうです」
「へぇ、男? 女?」
「それは知らないですけど、戦力になってくれれば嬉しいですね、僕は」
「そりゃ戦力になるだろ、今以上に人増えるんだからさ」
「そうですね…。 あ、いらっしゃいませー」

そう言って、保科はお客さんを見定めると、レジに戻った。
そして「ありがとうございましたー」を快活に客を送る。

…でも、実状を知ってからは、その保科の笑顔は、どこかうすら寒いものに感じられた。


DATE : H27.1.27
TIME : 18:42
STID : 00941724


俺は夕方、自転車をすっ飛ばして龍真のマンションへとたどり着いた。

「うっす、龍真! 遅れて悪い!」
「これはまたギリギリだな、イベント発表まで、あと10分ちょっとだぞ」
「レポートの調べ物が忙しかったんだよ。 バイト終わってから、今までずっと掛かってた」
「それで、無事終わりそうなのか?」
「…まぁ、何とかな」

「福祉経済総論」の語句調べは時間こそ掛かってるが、wiki先生のおかげで、課題の内容は掴めてきた。
ただ…内容は理解できても、その回答「医療費・介護費用の削減方法」は、なんと書けばいいものやらさっぱり分からない。

「そうか、まぁ頑張れ。 それが勉強だからな」
「手伝ってくれる訳じゃないんだ…」
「だから僕は法学部だと言ってるだろ」

そんな事を言い合いながら居間に向かうと、中ではのぞみさんが沢山のサンドイッチを作って待っていてくれた。

「こんにちは礼雄くん、今日もよろしくね」

暖かいカップスープとポテトフライ、お菓子類も準備してある。
うわー、オサレに食べながらゲームできるように、か。
こんな環境なら、快適にネトゲできるわ。
龍真、羨ましすぎるぞ。

「おい、そろそろ7時だぞ、のぞみも準備してくれ」
「オーケー、龍真」
「分かったよ、リョウくん」

俺たちは居間のソファーに掛けると、スマートタブレットを取り出し、アプリを起動して「リヴァイアサンズ・メルヴィレイ」と、ほぼ全員同時にログインした。

「…結構、数が居るな」

俺たちが出現したのは、ネージュ村の中央広場だが、そこではもうイベント発表開始の7時を前にして、結構な数のプレイヤーが、村中央広場の掲示板に集まっていた。
前回もそれなりに人数が居たが、さらに増えたような…。

「また新規プレイヤーが増えたのかもしれんな」
「スゴいよね、このゲーム。 人気あるよね」

そして、壁掛け時計が7時の鐘を打った時。

「はろはろー♪ ミンナ、元気にしてるアルかー!?」

と、定例イベントのインフォメーションウインドウが割り込んできた。
今度のイベントのガイド役は、チャイナ娘系ポップロイド「貴侯司クォン」か。

俺はウインドウ右上の「□」アイコンをタップし、全画面表示にする。
さて、今回はどんなイベントなのか…。

「今回のイベントは『氷雪に潜む凶獣』! 舞台はネージュ村の近くにある、ベルディスカ山! ここに生態不明のモンスター『ビッグフット』が現れたアル! 怖いアルー! ネージュ村は大ピンチ! 大被害に逢う前に、このモンスターを狩り尽くすアルよ! 詳細は掲示板を要チェックあるね!」

モンスター狩りのイベント?
意外に普通な感じがするな…と思いつつ、俺は掲示板をタップする。

ーーーーーーーーーー

『氷雪に潜む凶獣』

日 時:平成27年1月28日(日) 9:00~18:00
場 所:ベルディスカ山
内 容:モンスター『ビッグフット』『アイスウルフ』『フローズンモス』の狩猟

参加条件:なし
報奨金:イベント終了後の狩猟モンスター数により変化。
    『ビッグフット』 ×3,000Cen
    『アイスウルフ』 × 200Cen
    『フローズンモス』×1,000Cen

提 供:(株)大正製菓

※クォンちゃんのムービーを見たい人はここをタップ!

ーーーーーーーーーー

掲示板を見終わると、大正製菓の新製品「ほっと・ココ・あいす」と、「貴婦人カプチーノ」のCFが流れた。
商品名だけでは分かりにくいかもだけど、インスタントココアとコーヒーの宣伝だ。

「ふぅん、今回のイベントは、モンスターを倒すだけか? それだけで報奨金が貰えるのか? 珍しいな、装備指定なしだとは…」

と、龍真が不思議そうな感想を漏らす。

「リョウ…えと、バールくん、今回はどうするの?」
「今回は、僕ら3人一組で狩ろう、トラウム。 明日までに準備をして、なるべく沢山狩ろう。 9時から18時までゲームするのは結構キツイかもしれないがな」
「わ、バールくん、露天もう出てるよ」
「早いな。 …なるほど、今回は罠アイテムでの課金か」

だが、俺は龍真とのぞみさんの会話に強い調子で割り込んだ。

「おい、ヤバいぞこれ。 露天とか見てる場合じゃない、すぐに山に向かおう!」
「…どうした、レオ?」
「何かあったの、レオくん?」
「説明は後だ、今すぐ山に向かおう! 早く!」

俺の予想どおり、掲示板を見ていた連中のうちの何人かが速攻で群衆を抜け出て、村を飛び出す。

…こいつらが今回のイベントの、本当のライバルだな。

「何だってんだ、レオ! 僕は何か読み落としてたのか!?」
「説明しなくても、見れば全て分かる!」

今回は、モンスターを狩るだけの、スローター(虐殺)系イベント。
だけど、インスタンス(一時的)マップじゃない。
という事は…。

胸に沸き上がる不吉な予感を押し込めて、俺たちはベルディスカ山までをひたすらに駆け続ける。

そして山の麓では、ネトゲには本当によく見られる、実にありふれた光景が展開されていた。

山の麓にずらっ、と一列に整列しているアバターたち。
対して、俺と同じように、この状況を予見していた連中が30名前後ほどで固まり、対峙している。

「ピピピ、ピピピ、ピピピ…」と、俺と龍真のクライムアラームがひっきりなしに鳴っている。
ああ、もう、これは間違いないな。

その予想を裏付けるように、麓に立ち並んでいたアバターの中から、一人が前に出た。

「今からこの山は、明日のイベント開始まで封鎖する! 入山したかったら、我々『クリーピング・コインズ』に入山料を払え!」

長剣…いや、日本刀に侍装備を纏った男性アバターが、そんな事を大声で叫んだ。

「何だ、アレは?」
「なに、この人たち…?」

やっぱり、こうなったか…。

「一足遅かったぜ、龍真」

テーブル反対側の龍真が、「どういう事なんだ、礼雄」と尋ねてくる。

「狩り場の独占だよ。 ネトゲではよく居るんだ、稼げる場所を独り占めする野郎が」

だけど、今回はイベント会場をまるごと独占、かよ…。

「どうやって対処するんだ? このままだと、僕らは参加すらできないじゃないか」
「それはな…」

と、俺が説明しようとしたら、

「お前等! 何のつもりで、イベントの邪魔をするんだ! 自分たちだけで報酬を独り占めしようってのか!?」

おそらく、ネトゲ経験の浅い新参ゲーマーが、空気の読めない正義感を発揮して、彼らに噛みついた。

「(止めときゃいいのに…)」

俺はこの後に展開される惨劇を予感して、内心彼の事を悼みつつ、龍真にこの先の光景を見てろ、と促した。

「独り占めなんてしないとも。 だが、入山できるパーティは、今から我々が決定する」
「そんな権利がお前等にあるのか!」
「権利云々の話ではない。 これはゲームを平穏に楽しむためである」
「平穏? 狩り場の独占が、平穏だって?」
「その通りだ」

そのサムライアバターが朗々と説明するには、オンラインゲームでは、狩り場にポップする敵を取り合うと、必ず争いになる、とのこと。

…まぁ確かに「横殴り」もマナー違反として嫌われる行為だけどな。

だが、このイベントで全員…数百人を山に登らせて、ポップするモンスターを狩るとなると、一匹のモンスターを倒すために、必ず数名以上のプレイヤーが争いあう事になる。

その結果行われるのは、果てしないPK合戦。
それではイベントどころか、ゲームにすらならない。

だから、あらかじめ入山できるパーティを決め、1時間ごとに交代させる事で、ゲームとしての体裁を維持したい、というのが彼の主張だった。

「なら、何故、入山料とか言って金を取る!? そんなもの、無料でやれば良いだろう!?」

なおも噛みつく新参。
だが、そのサムライアバターは呆れたように言う。

「お前みたいなアホが居るからだ」
「…あ!?」
「どっちにせよ、このイベントではPKが少なからず行われる。 我々がやろうとしてるのは、その防波堤だ。 だが、お前みたいなのが噛みついてくれば、我々とて実力行使もやむをえない…。 入山料は、その手数料だと思え」

回復薬とかを買うためのな、とサムライアバターは付け足した。

「礼雄…そうなのか?」
「半分はそのとおりかもしれない。 ただ、連中の真の目的は、秩序の維持じゃなくて、俺たちから入山料を巻き上げる事だろうけどな」
「それじゃ、まるでヤクザのショバ代じゃないか」

残念ながら、その通りだ。
だが、もしこいつらの言っている事が本当なら、狩りの最中に、他人から襲われることはないだろう。
装備と戦闘経験が心許ない俺たちにとっては、それはありがたい状況とはなる。

「うるせぇ! イベントに参加するのに、いちいちお前の許可なんか居るか! そこを退けッ!」

だが、その新参にとっては、サムライアバターの話は受け入れがたい内容だったらしい。
新参はなかば強引に、アバターの脇を抜けて雪山に向かおうとした。 だが、その瞬間。

ビュビュビュ、ヒュゴアアアアッ

サムライアバターはいきなり抜刀し、新参のアバターを剣風の中に捉えたのだ。

「(両手剣のブレードアーツか、あれ…?)」

だが、俺がそう思うよりも早く、赤いライトエフェクトが新参アバターの周りに盛大に飛び散り、

「馬鹿者がっ!」

ディレイで表示される深紅のエフェクトを幾重にも迸らせながら、新参は止めの「突き」で豪快に吹き飛ばされた。

…起きあがってこない。 まさか、即死か!?

「この通りだ! 我らレッドギルド『クリーピング・コインズ』に刃向かう者には、死あるのみ!」

サムライアバターが俺たちに向かってそう宣言し、ギルドのメンバーが新参の遺体に覆い被さって、装備をはぎ取っていく。
新参は「止めろ、俺の装備、止めてくれ…!」と、死してなお喚いていたが、それを止めようとする人間こそ居なかった。

「力あるもののみ、入山を許可する! 我らギルドの人間と戦い、勝ち残った者にこそ、その資格があると認めよう!」

そして、別のメンバーがそのサムライアバターの言葉を継いだ。

「そしてなぁ、入山料は一人10,000Cenだぞ!」

「10,000!?」「高すぎない!?」「1時間でだろ!?」

「うっせーよ! 文句のある奴ぁ入らなくて良いぜ! ちゃんと、モンスター狩りだけで稼げる額にしてあるだろーが!」

…だけど、『ビッグフット』がどれだけの強さのモンスターなのか、お前等にも分かってないだろ。
ネージュ村のモンスターだから、それほどの強さじゃないだろうけど、もし「倒すのがやっと」のボスレベルの強さだったら、入山料だけで足が出てしまうぜ。

「それでは、入山試験を始める! 明日のイベントに参加を希望するものは、我々にハーフデュエルで挑んでみよ! それ以外の方法を選択するものは、全て反逆行為と見なす!」

ハーフデュエル…。
体力半減で決着の付く戦闘か。

「おいどうする、り…いや、バール、やるのか」

俺はタブレットから顔を上げて、龍真に問うた。
てか、リアルでアバターネームを呼ぶの、マジで恥ずかしいな…。

「頼む、レオ。 まず試験で勝たない事には、道も開けないからな」
「…怖いよ、バールくん。 何なのこの人たち」
「心配するな、トラウム」

…よし。

「じゃあ、その試験、俺がやるぜ!」

俺はヘッドセットのマイクを摘んで、口元に寄せ、そう叫んだ。

「良いだろう。 おい、誰か相手してやれ」

すると、サムライじゃなく、騎士系のアバターが俺の前に現れた。
こいつらレッドプレイヤーは大抵そうだけど、顔を覆う装備を好んで装着する。
実際に対戦してみるまでは、どんな奴なのか分からないのが不気味だ。

「…調子良さそうじゃないか、レオ」

だが相手は、俺の名前を知っていた。


<続く>
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丼$魔

Author:丼$魔
モンスターハンターをこよなく愛する熱・血・猿。

しかしどういう経緯を辿ったか、最近はオリジナル小説を更新中。

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