女神の機械槍

モンスターハンター関係の二次創作(イラスト・小説)ブログでしたが、最近はオリジナル小説に傾倒中です。

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沖方丁(うぶかた・とう)のライトノベルの書き方、その後。

「マルドゥック・スクランブル」や「天地明察」で有名な小説家、沖方さんの「マンガ・アニメの作り方」が販売されてたので、買ってみましたよ。

結論から言えば、俺にとってはハズレの本だった。

沖方さんが以前に発刊された、「ライトノベルの書き方」の本は、一言で言えば「どうやったら発想を膨らまし得るか」というテーマでまるっと1冊本が書かれてて、今回のは「いかに情報を整理し、正確な推論が行えるか」でまるっと1冊本が書かれてた。
(※正確な推論は、より正しい発想の手助けになるとのこと)

いや、メソッドを丁寧に解説していただけるのはありがたいんだけど「1行に要約できる1冊の本」というのが、どうにも俺的には頂けなかった訳よ。
皮肉を言えば、どんだけ(実例を混ぜ込むことで)水増ししてんのー!?って事で。

まぁ、内容は一読には値します。
水増しと俺は表現しましたけど、それだけに分かりやすいのは確かですし、前作の「発想の展開の方法」や、今作の「情報の整理及び推論の方法」については、どちらか言えばビジネス書の思考に近く、アニメマンガだけじゃなくて、実生活にも十分役立ちます。そういう意味では一般人にもお勧めかも。
ラストの「創作の現場で吐いてはいけないNGワード集」がメチャクチャ面白かったこともあって、お金に余裕があれば買っても良いかもですね。


まぁ、俺はもう買いませんが。
正直ね、沖方さんの作品の作り方は、客観的に判断するに、俺にはあまり向かないと思ったんです。
沖方さんの本がダメなんじゃなくて、俺が沖方さんのメソッドを活用できない、って事。

理由は何かと言いますと、沖方さんはとにかく発想を爆発的に増やすタイプで、発想の足し算掛け算が好きなんだそう。
まず、ボクサーを題材にして何を書くよ? と問われた沖方さんが書かれた作例が、「母親ボクサー」ってネタだったんだけど、確かにこれは結構面白そうというか、よく出来てた。

でも、俺の中のもう一人の俺が、「このネタはクソだ、面白そうとか騙されるな」って言うんです。
もう一人の俺が言うには、この発想はまんま「織田○奈の野望」とか「カラ○ガール」とかと同じ「美少女×●●」と同じ発想だろ、しかも主人公がBBAになっただけに余計タチ悪い、「サラリーマン×ボクサー」の「太郎」の方が全然マシ、と仰るんです。


話はいきなり代わりますが、先日、百田尚樹さんの「黄金のバンタムを破った男」ってボクサーのノンフィクション小説を読んだのですが、それがメッチャ面白かった。
百田さんの本は、「黄金のバンタム」こと、エデル・ジョフレとファイティング原田の戦闘録と言ってもまぁ過言じゃないのですが、そのファイティング原田こそ、当時の国民的ヒーロー、一人で視聴率を40%とった伝説の男。
「ファイティング」のリングネームは、ボクサーの中では永久欠名になってて、もう誰も使用できないって初めて知った。

で、「幕之内一歩」のモデルが、拳聖「ファイティング原田」なのだと始めて知ったよ。
いや、そう引用されてはないけど、それに間違いねぇ。

ボクサーマンガと言えば「あしたのジョー」が筆頭に挙げられるなか、「はじめの一歩」という作品を生みだした森川先生ですが、森川先生は(当たり前かもですが)ボクシングの事を本当によくご存じって事が分かります。
百田さんの作品を読み、一歩の最初の頃を読んでると、内容に全く齟齬がなく、森川先生は、昔のボクシングの資料を調べ、ビデオをとことんまで見てた事が分かる訳です。

俺思うに、こういうのが「面白い」って言うんだと思う。

「情熱」と、「リアリティ」と、「今まであった価値観に対するアンチテーゼ」。

読者を酔わせるエネルギーに、真実めいたストーリー、そして「あしたのジョー」で提示されたボクシング像を、根底からひっくり返すボクシング観。
俺が面白いって思うのは、やっぱこっちの方だな。

思想と発想の足し算掛け算じゃなく、「物の見方」を変えたものの方が好きです。


全くの余談ですが、俺はファイティング原田よりも、同時に掲載されてた世界初の日本王者・白井義男の話の方が面白かったですよ。

将来を嘱望されてたボクサー、白井義男。
しかし彼はボクサーとしての充実期を世界大戦で無駄にし、かつ戦争での貧困のさなか、無理に働き続けて体を壊し、終戦時にはロートルになってました。
それでもボクサーの夢が諦めきれず、ジムでポカスカやってた時に、謎の米国人が現れ、彼を見て一言。

「彼はどこのチャンピオンだ」

これが、スポーツ生理学を研究していたカーン博士と、白井義男との始めての出会い。
カーン博士は、白井とトレーナー独占契約を結び、彼の体を治すと同時に、ステーキとかを腹いっぱいごちそうして体力作りをさせ、独自のボクシング理論を押しこんで、彼の研究のモルモットにしちゃった訳です。

しかしながら、白井はカーン博士の期待に応え、みるみる実力を伸ばし、日本チャンピオンになり、前人未到である「日本人初の世界王座」に挑みます。
敵地アメリカで闘うこととなり、戦争の再演として不安になる白井。

カーン博士「君が、敗戦で失った日本人の自信を取り戻すんだ」
白井義男「米国人である貴方が、そんな事を…?」

けなげなのがですね、カーン博士のキャラ。
最後に語られるんですけど、彼はゲイだった(らしい)んです。
白井の事を溺愛してたらしいのですが、でも手を出すことは絶対にしなかった。

白井のために、新しい止血剤が発売されたと聞くに及ぶや、それを取り寄せ、自分の手を切り裂いて「見てくれヨシオ! 血が止まったよ! これなら世界戦も大丈夫だ!」と喜々として言うカーン博士。 可愛い!(ぉ

それを見て、自分を地獄から救いだし、育て、栄光を与えてくれたカーン博士の恩義に報いようとする白井。
観客として見に来た日本人の怨念のような期待が凄過ぎて、もう勝たないと生きては帰れないな、という予感の中、彼は死闘の果てに、日本人初の世界王者になる…という凄い話。

カーン博士は、その後、白井とその妻と共に、ファイトマネーで建てた豪邸に住み、仲良く暮らします。

カーン博士「ボクシングはモンキービジネスだ。 引退したら、もうボクシングに関わってはいけないよ、ヨシオ」(マテ

晩年は認知症を患いますが、米国の施設に入れちゃえよという周囲の反対を押し切って、白井とその妻は、彼を最期まで看取る、という感動の実話。
白井の妻の「カーン博士は理想の小姑でした」ってのが泣かせる!

…ね、こういうのこそが面白いよね? 俺の感覚、普通の人と違いますかね?


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*Comment

 

こんにちは。

解ります。多分、丼$さんはラノベのフルメタルパニックとか漫画のホーリーランドとか好きそう。

テーマに対して徹底的に調べあげたマニアックな作品が好きなのですかね?

うぶかたさんとかフェイトの那須きのこさんとかは独自の設定で世界を作ってるというか……
ともすれば『リアル』を無視した作風なんですよね。

マイナーなコメントで失礼しました
  • posted by ユラ 
  • URL 
  • 2013.03/12 13:14分 
  • [Edit]

Re: タイトルなし 

> 解ります。多分、丼$さんはラノベのフルメタルパニックとか漫画のホーリーランドとか好きそう。

初めまして、「女神の機械槍」の丼$魔と申します!
初カキコミ頂いたのに、いきなり放置とかして申し訳ないです! でも許して!
あ、でホーリーランドは超好きですよ! 原作もライブで読んでコミックス買ってたし、DVDも買いました!
「ここが俺達のホーリーランドだ!」

と、フルメタがそんな作品だとは知らなかったので、今度古本屋で探してみます。

> テーマに対して徹底的に調べあげたマニアックな作品が好きなのですかね?
そういう訳でもない…と自分では思っているのですが、それはありえるかもしれません。
何せ俺の原点は、「学研まんがひみつシリーズ」ですもんで、マンガを読んで「へぇ~そうなんだ」と思わせられるのが面白い、という刷り込みが出来てしまってます。
なので、仰るとおり、調べ上げた作品には圧倒的なリアリティがあるので、面白いと思わされてしまう部分は多々あります。

だから、板垣先生が仰るような「マンガは駄菓子」というような、「マンガ=純然たる娯楽」という価値観はイマイチ受け入れ難いんですよね。
深夜の萌えアニメや、最近のハーレムラノベも結構苦しいんです。
いやホントホント。

> うぶかたさんとかフェイトの那須きのこさんとかは独自の設定で世界を作ってるというか……
> ともすれば『リアル』を無視した作風なんですよね。

那須さんは、「ああこれが彼の中のリアルなんだろな」と思わせるほどの、偏執的なまでの作り込みがありますので、彼の作った妄想世界の立体的な「深み」に浸る事ができるんですが、沖方さんのは実に薄っぺらいっていうか、中二ワードの連結みたいな部分があり、全然浸れないので、真正オタの俺には結構厳しいものがありました。
いや、単純な好き嫌いの話になって申し訳ないのですが、リアルの無視の仕方にも、「手順」というか、「虚構の品格」みたいなもんがあるんですよね。

…えーと、言ってる事意味不明ですかね…?

> マイナーなコメントで失礼しました
いえいえ、マニアな返しをさせたら俺も大概な方ですのでお気になさらず。
  • posted by 丼$魔 
  • URL 
  • 2013.03/25 22:32分 
  • [Edit]

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Author:丼$魔
モンスターハンターをこよなく愛する熱・血・猿。

しかしどういう経緯を辿ったか、最近はオリジナル小説を更新中。

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