女神の機械槍

モンスターハンター関係の二次創作(イラスト・小説)ブログでしたが、最近はオリジナル小説に傾倒中です。

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「GUNNER'S HEAVEN」#2(6)-5

同時刻、場面はテネス村の別室、そのベッドの上。
そこでは、マルク=ランディッツが一人、天井を見上げながら何事かを呟いていた。

「ちくしょう…」

俺は目を瞑り、これで何度目になるのかもしれぬ、あの雪山でのJJのイメージを思い描いていた。
だが、あれほど強烈な印象だったにも関わらず、時が経つに連れて、イメージの輪郭は曖昧になっていく。

ドドブランゴ戦の後、追加でドスファンゴ10体の討伐を依頼された俺は、初日に5体を狩ったあと、追加で翌日に5体を狩り、結局10体全部をきっちり狩ってのけた。
しかも無償でだ。
それに村人は泣いて喜び、俺のためにまたも酒宴を催してくれたが、俺の心はイマイチ晴れなかった。


というのも、俺はドスファンゴを実験台として、JJのスタイルを真似た射撃訓練を続けていたのだが、成果が芳しくなかったのだ。

いや、ガチ戦に慣れてきた最後の頃は、それなりの成果にはなった。
村から借りてきた砂時計は、普段の俺からすれば、なかなか良好なタイムを示してくれていたのだ。
でもそれは、あくまで「普段の俺からの比較」であって、俺の想定していたタイムよりは遙かに下回っていた。
何せ俺は、その時、JJの戦い方をそれなりに真似られたと思っていたのだから…。

JJの戦い方を真似たのに、奴ほど早くならなかった。
何故なのか? 理由はいくつか考えられる。

まず、俺はまだいくつか…いや、多数見逃している要素がある事。
思えば、雪山でのJJの戦闘の際、奴は弾種の選択や、リロード速度、敵の挙動の判断がやたらと早かった。
弾種選択やリロードについては、単純に「安全かつ、ためらいがない」事から、そのスムーズさを「早い」と感じてしまっただけだと思っていたが、もしかすると、実際は何か別の工夫があったのかもしれなかった。
それがもし、外見では分からない工夫だったとしたら、それこそ本人に聞くまで解明しようがない。

そして、戦闘経験の膨大な差。
JJの戦闘における、回避や位置取り判断の迅速さは、死線をくぐり抜けて来た結果に得られたものだろう。
その思考は、おそらくは既に反射の域に達している。
だが俺は、JJの像を追いかけ、考えながら行動している。
反射的な行動と、思考の末の行動。
どちらがより早いかなど、問うまでもない。
わずかに遅れ続ける俺が、遅くて当然なのだ。

実際、あいつの真似をすればするほど…。
JJの奴が、どれだけハンター業に真剣に打ち込んでいたのかが、じわじわと体感を以て分かってくる。

特に、俺には理解できない挙動…。
JJの戦闘イメージの中で、何故そこでそんな動きをするのか、どうしても意図が理解できない行動がいくつかあるのだが、その存在が、俺と奴との絶対的な壁を意識させてしまう。 
おそらくは、強者でないと理解できない戦闘のセオリー。

「くそっ…」

奴に逢いたい。
どんなに卑屈な態度を取る事になろうと構わない。
もう一度奴に逢いたい。

その時は奴の全てを盗み尽くしてやる。

人間性は、天地ほどにも合わないが、奴に出会って得たものは、計りしれぬほど大きかった。
今までの俺が、狩人人生の中で何をしてきたのかを、丸ごと後悔させるほどに…。

それに、どうしても奴に聞きたい事がある。
ガンナーとして真面目に戦う中で、ふと湧いた疑問。

それは、ライトボウガンとヘヴィボウガンの違い。
俺は今まで、この2種は威力と機動力をトレードオフしただけの武器だと思っていたのだが、どうもそうではない、と思い始めてきたのだ。

そう思った理由が、攻撃力とクリティカル距離の関係。
ヘヴィボウガンは、威力を重視した設計上、どうしても機動力が犠牲となる。
故に、ヘヴィガンナーは、銃弾が最適な威力を発揮できる距離…「クリティカル距離」に関して比較的無頓着な連中が多い。
むろん、JJはそこにも気を払ってはいたが、奴とてクリティカル距離を外した弾丸があった事は否定できない。
それは技術云々の話ではなく、ヘヴィボウガンそのものの設計限界なのだ。

だが、ライトボウガンであれば、その機動性ゆえに、より徹底してクリティカル距離を維持する事が可能だ。
だとすれば、俺の武器である、ライトボウガンの立ち回りは、JJの武器である、ヘヴィボウガンと根本的に異なるのではないか…?
俺が熱心に練習を続けている「JJの立ち回り」は、俺にとっては、あまり意味がないのではないか…?

ガンナーである以上、ヘヴィとライトのこの関係性に、奴が考えを及ぼさなかったはずはない。
奴は、この問題をどう捉え、どういう結論を下して、結果ヘヴィボウガンを選んだのか?
まさか、ライトボウガンは、ヘヴィボウガンに全く及ばない、とでも言うのか。 いや、そんなはずはない…。

…ないはずだ! 最初から、俺は道を誤っていたなんて、そんな事ある訳がない…!

そんな、恐怖にも似た考えが、俺を静かに怯えさせる。
俺がやっている事は、そもそも全て無駄なのではないかと。

だが同時に、JJの見せた圧倒的な戦闘力は、疑おうとしても疑いきれる物じゃない、と思う気持ちも確かにある。
自らの行動を極限まで最適化し、僅かな瞬間にも機械のように正確に、だが暴風雨のように徹底して弾丸を打ち込む。
あれこそが…。
あの凄絶な、仮借なき美しさが、ガンナーの究極形だ。
目で見て、魂で感じ取り、そう確信した気持ちは嘘じゃない。
あの時、俺は確かに、奴の存在そのものに感動していたのだ。

だが、それ故に…。
奴の放つ光が眩しくて、それが直視できなくて、思わず自分のクソみたいなプライドに拘ってしまって…。
結果、今こんな所で、結論の出ない思考の袋小路に、延々と迷い込んでしまっている…。

俺は、ベッドサイドにおいた俺のアイテムポーチの中から、あいつが置いて行った「呪われし王者の小手」を取り出す。
そのとんでもない重量感にちょっと戸惑いつつも、俺はその小手を寝ころんで眺める。
所有者の性格をそのまま表したような、ホントに荒々しい造形で、秘めた力を感じさせる雰囲気。
…まるで、小手そのものに意志すらありそうな、そんな予感さえ感じさせる。

「なぁ、お前…。 一体今、どこに居るんだよ…」

俺が、誰ともなしにそう呟くと、部屋のドアをこんこん、と叩く音がする。

「…? どうぞ」
「お飲物はいかがです?」

そう言って、碗とポットのお盆を手に、ちょっと恥ずかしそうに入ってきたのは、例の人妻・モーリンだった。
それを確認した俺は、慌ててJJの小手をアイテムポーチに仕舞込む。

「…あ、もしかしたらお忙しい所でした?」
「いやいや、ベッドに寝ころんでいて忙しい訳ないさ」

先日、彼女は俺にアプローチしてきた際に、俺の妙な八つ当たりで叱責されている。
その件は俺も猛烈に反省した所だし、彼女の友人・マリアンヌとの仲介もあって、直接モーリン本人に逢い、一応の謝罪と和解を済ませている。

だがその結果、彼女は俺のささいな仕草にも多少敏感になっているようだ。
それを払拭すべく、俺は必要以上に、彼女を丁寧に迎えた。

「こちらに置いておきますね。 …マルガーレの紅茶、美味しいんですのよ」
「ありがとう」

彼女が不思議そうに、俺を見ながら言う。

「…あの、私どもの村のお酒は、お口に合いませんか? 皆、マルク様の武勇伝を聞きたい、と仰ってますのに…。 主役がいなくては、弾む話も弾みませんわ」

酒の席は、せっかく皆が俺のために開催してくれたものだが、俺は乾杯の挨拶だけで、後は退室していた。
身分不相応な、豪勢な扱いは逆に惨めさしか感じないからだ。

「武勇伝とかやめてくれ」

そんなもんは、ない。
あっても語りたくなんてない。
俺は本気で遠慮させてもらい、またも空気が悪くなってきたので、とりあえず紅茶をすする。

「本当に、謙虚な方ですのね。 …そして、本当にストイック」

そう言って、またもモーリンは俺の座っているベッドサイドに並んで腰掛ける。

「そんな異邦の狩人さんは、普段何を考えてらっしゃるの? 村の人達なら、毎日の食事の事とか、仕事の事とか、人の噂とか…だと分かるんだけど、よかったら教えて下さらないかしら」

彼女の瞳が、きらきらと輝いている。
一見、未知への好奇心に溢れた輝きだが、そればかりではあるまい。

「…。 大体毎日、酒と女の事」

俺が適当に返事すると、モーリンは冗談と受け取ったのか、ぷっと噴いて、膝を叩いて笑った。
それなら、宴会に参加すればよろしいのに!と最もなツッコミをくれる。
まぁそりゃそうだけど。

「てっきり私、貴方がその…。 …男色の方なのかもと思い直しておりましたわ」

それを聞いて俺はベッドから滑り落ちそうになる。

「ちょっと待てッ! 何で、そういう話になるッ!?」

すると、しばらくの間を置いて、モーリンは恥ずかしそうに答える。

「だって…。 その、断られたのが、あまりにもショックで…。 で、もしかして、あっち側の方なのかなって」
「いや、それはなんというか、村人に悪さしないのは、ギルド所属のハンターの当然の規則なんだよ! 俺がホモォ…って訳じゃないんだからな!」
「でも、さっき、あのJJさんって方の鎧を見ていた貴方の目は、スゴく真剣でしたわ」

そう言われて、俺は思わず返事に窮する。

「あれから、貴方を見ていて思ってたのですけれど、いつも貴方は、心ここにあらず…。って感じがして。 …本当は、貴方はいつも、別の誰かの事を考えてらっしゃるんじゃないですか?」

しばらく、俺は苦笑を浮かべると、鼻を鳴らして答えた。
こういう時の女性の問いかけってのは、(どういう訳か)確信しているのにわざわざ質問してくるので、否定しても無駄なのだ。

「…ああ、あいつ…JJの事だよ」
「ほらやっぱり」
「でも、俺は本当にホモじゃねーからな! 念のため!」
「本当に?」
「本当だって!」
「本当に、本当?」
「…くどいっての!」

俺は彼女に、狩人としての心情の機微を理解できるかどうかはともかくとして、丁寧に説明を試みた。
一からきちんと説明しないと、まず納得してくれないだろうな、という予感があったから。

…別にホモ扱いされるのが怖かったから、って訳じゃない。

「って訳でな…。 あいつは年下だけど、スゲェハンターだって感じたんだよ…。 悔しいけど、そういう奴からはきっと何か学ぶことがある…。 頭を下げてでも、俺は奴に教えを乞いたいんだ」
「ハンターって、そんなものなんですか? …村の上の人たちなら、自分が間違ってても、絶対に若者に頭は下げませんよ」
「うーん、村社会はそうかもだけど、ほら、俺たちって基本的に風来坊だろ? 狩人にとっては、強さだけが分かりやすい基準なんだよ…。 だから、目をかけて指導してくれたハンターには、自分が強くなっても頭が上がらない、って事はよくあるのさ」
「実力主義の世界なんですね…。 厳しそう」
「野生の世界だってそんなもんだよ。 群の老いたリーダーは、若いサブリーダーに、いつかとって代わられる。 厳しいというか、それが普通なのさ」

「…じゃあ、弱い者が、強い者から蹂躙されるのも、当然のことなんですか?」

モーリンのふとした独白。
その、ある意味予想外の問いかけに、俺はとっさに答えを見つけられず…。
何故か、胸の奥の深い部分をえぐられた気がして、固まってしまう。

「私ですね、今はこんなですけど、昔は体も弱かったし、男の子からブスだのなんだの、さんざん言われてきたんですよ」

いや、ブスだとか、あんまりそんな風には見えないけれど。 むしろ、割と美人の部類だ。

「ふふ、子供の時は、男の子のそういう気持ちが分かんなくて、真に受けてたんですよね…。 でも、当時は本当に傷ついてたんです…」

「何故自分ばかりがこんな目に合うのかって、村を飛び出して、街に働きに出てみて、そこでようやく自分が、本当はどういう存在なのか、を知ったんですけど」

どんな存在?

「内緒です、うふ。 でも、ギルドで働いて、ハンターさん達の話を聞いてて…」

俺は、頷きつつ先を促す。

「弱い者達ばかりが狩られ続けるのが、この世界の真理なのなら、この世界をお作りになられた神様は、なんて残酷なんだろうって思って…。 でも同時に、ちょっとずるいんですけど、私は『動物』じゃなく、弱くても頭足りなくても、生きていける『人間』に生まれてて、良かったなぁ…って、つくづくそう思ったんです」

「っていうか…」

「『女』に生まれて良かったなぁ、って言うのが本音ですね」

そういうと、彼女は屈託なく笑い、ウインクして俺にぺろりと舌を出してくる。
その仕草に、俺は苦笑するしかなかった。
よほど街に出てきてモテたんだろうな。

だが俺は、彼女の感想に対し、何ら具体的な返事はできなかった。
彼女は現在、割と幸せな価値観を築けているようだが、俺思うに、人間の世界とて、彼女が思っている以上に「弱肉強食」の摂理とは無縁ではない。
いやむしろ「それ」は俺たちの周りに、形を変えて普遍的に、しかも想像以上に存在している。

彼女は周囲に愛されて、幸せに過ごせているのかもしれないが、そうでない者にとって、周囲とは敵でしかない。
喰われないために相手を喰い殺す、その覚悟を持っていないと、いざという時は簡単に人から利用されてしまう。

…特に、俺はそういう運命の元に生まれついている気がする。
だから、強くないとダメなんだ。
口八丁でも、金を積んでも、卑怯であっても、とにかく強くないとダメだ。
そうでなければ、俺みたいな奴は、最悪、嫌われ者のゲネポスやイーオスみたいに、誰も見向きもしない肉塊として、地上に打ち捨てられる事になる…。

俺はぶるりと身を振るわせ、改めてその訓戒を自分に刻み込む。

「だから最初は、私、貴方が何となく他人に思えなかったんです」
「…え?」
「なんていうか、こう…。 失礼な言い方ですけど、日陰な人たちが持つ、独特な雰囲気っていうのがあるじゃないですか。 それで『あ、この人、私と同類だ』って思ったんです」
「…そ、そうかい?」
「うーん、最初はそう思ってたんですけどね…。 でもこうして話してみれば、案外違いましたね」
「君もそんな風には見えないけどな」
「でも、魂に刻まれた苦い記憶は、どうやったって二度と消せないんですけどね」

その重みのある言葉に、俺はまたも苦笑するしかなかった。
彼女が、俺の手にそっと手を重ねてきたが、あんな事を聞かされた後では、なかなか振り払う事も難しかった。
それに、俺ホモじゃない、って言っちゃったし。

「…ところで、今後はどうされるの? まだ、そのJJさんも帰ってきてない事だし、まだしばらくこの村に居らしたら?」
「そう、そうだな…」

これが、確かに最大の問題点だった。
もうしばらくしたら帰ってくるかと思っていたJJは、2日経つ今も、まだ帰ってこない。
手甲を無くしている事には気づいているだろうから、これはもう、紛失しても構わぬもの、と思っていると解釈して良いのだろうか。

「(しかし、あいつにとっては、大事そうな物に見えたんだけどなぁ…)」

JJとのやりとりと思い出す度、そう思う。
それともやはり、何かのトラブルに巻き込まれたんだろうか。
あんな変装してたくらいだから、それもありそうな話だが。
この村を去ったら、奴を本格的に探してみよう。

「(…あ、でも、俺、奴の事殆ど知らねぇ)」

そういや、「JJ」って偽名だった。 ギルドの台帳で調べるにしても、ハンターネームかどうかも疑わしい。
ギルドカードは持っていないって事で見せてくれなかったし、奴に繋がる情報は、その見た目と、ヘヴィボウガン使い、って事くらいしかない。

…どうしよう。
どうやって探すか。 街の似顔絵屋で似顔絵作って、ヘヴィの連中に、しらみつぶしに聴いてみた方が早いだろうか…。

モーリンをほったらかして、またも俺がそんな事を考え始めると、彼女は俺の気のない様子に気づいたのか、声を掛けてくる。

「あの…。 実は、案内したい場所があるんです。 今度晴れた日に、山登りに行きません?」
「…へ? 山登り? 何かあるのかい?」
「ええ、私だけが知ってる、七色たんぽぽの群生地が…。 夜は極光と無数の星が煌めいて、七色たんぽぽの花が、夜空の光で、なんとも言えない彩りになるんですよ。 息が止まるほどスッゴい綺麗なんです」
「でも、夜は危なくないのか」
「大丈夫ですよ、山小屋も近くにありますし、それに…」

「逞しい狩人さんも一緒にいらっしゃるから」

俺の手に重なる彼女の手、その指が俺の手の甲を艶めかしく掻く。
その仕草に、俺の本能の部分が、否応なしに喚起される。

「あ、ああ…。 そんな綺麗な光景なら、是非一度見てみたいな」

すると、彼女はにこーっと微笑んで、俺の腕にしがみついてきた。

「ギルドでもそれなりの額で取引されるから、一緒にちょっと摘んで帰りましょうか」
「そ、そうだな」

それは、俺たちが二人、山小屋に行った事の理由付け、だろうか…。

「じゃ、決まり! 今度晴れた日に、一緒に行きましょうね!」
「あ、ああ」

すっかり砕け気味の彼女が、嬉しそうに小指を差し出してくる。
そして、俺も(内心ではどうしようと思いつつ)小指を差しだそうとした、その時…。


「ぎゃあぁああああーーーっ!」
「ああぁあぁああーーっ!」


食器が割れる音と共に、男女の悲鳴が宴会場の方で聞こえた。
何かトラブルがあったのかと、俺はポーチとボウガンを抱え、モーリンと共に宴会会場へと戻る。

だがそこで、俺たちが見た光景は…。

「おうルァッ! 貴様ら、動くんじゃねぇ! 動けば殺すぞッ! この村は、俺たち紅龍騎士団二番隊【ナクム】が制圧したッ!」

吹雪く外から、扉を壊して入ってきた連中は、全員が紅い鎧に身を固めた武装集団。

…紅龍…騎士団?

「貴様らに聴く事があるッ! 先日この村に、ボウガン使いが訪れただろう!? ヘヴィボウガン使いの若い男だ!」

村人の視線がさっと俺に集まったが、危険を感じた俺の意識はそれを無視し、騎士団の連中が発する言葉だけに集中していく。

最近ここを訪れた、ヘヴィボウガン使い…。
戻ってこないJJ。
何かのトラブル。
まさか。

そして、リーダーらしき男が胸元から羊皮紙を取り出すと、高く掲げて、中身を皆に見せる。

…それは、賞金首の手配書だった。

「名前は、バルベキア三国第二王子、『ユリウス=イェルザレム』! 賞金は400万z、国家反逆罪と殺人罪で逃亡中だッ! 隠した者は、同じく国家反逆罪に問うゆえ、心して返事するようにッ!」

それを見た俺は、まるでハンマーで頭を殴られたような衝撃を受け、呆然と立ちすくむ。
はっきり言って、目の前の光景が全く信じられなかった。
全く、現実味のない出来事だった。

何故なら、手配書に描かれた、バルベキア三国第二王子…。 「ユリウス=イェルザレム」の容貌は。

燃え立つ様な髪型に、鋭い眼光、そして少女のような整った顔立ちでありながら、固い意志と共に引き結ばれた口元…。

…間違いない。 
…あいつだ。
…でも、何で。

何故か、俺の心の声は、泣きそうに震えていた。

手配書に描かれた、バルベキア三国第二王子「ユリウス=イェルザレム」の肖像画は、まぎれもなく「JJ」本人の姿だった。

<続く>
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*Comment

 

話がようやく繫がりました。
ワクワク、次も期待してます。
  • posted by ゆうた 
  • URL 
  • 2012.09/11 15:59分 
  • [Edit]

NoTitle 

おおおおお
つながったぁぁぁぁ
  • posted by スター 
  • URL 
  • 2012.09/11 17:19分 
  • [Edit]

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丼$魔

Author:丼$魔
モンスターハンターをこよなく愛する熱・血・猿。

しかしどういう経緯を辿ったか、最近はオリジナル小説を更新中。

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