女神の機械槍

モンスターハンター関係の二次創作(イラスト・小説)ブログでしたが、最近はオリジナル小説に傾倒中です。

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言葉を、作る

最近、例のOOT市のいじめ事件が凄い勢いで展開しまくりましたね。
ネットは炎上に次ぐ炎上、デヴィ風神まで、あんな露骨に記事にしちゃったりするし。
県警が出てきて、市役所(=教育委員会?)、学校までをも捜索する事になるとはついぞ思いませんでしたよ。
良くも悪くも、ネットのパワーってのを思い知らされた一件でありました。

で、今回の記事のテーマは
「犯罪者を集団で叩くインターネットのネットワーク、その有り様は是か非か」です。


結論を出す前に、少し寄り道をしたいんですが、皆様「ストーカー」って言葉をご存じでしょうか?
知らない方はまぁ居ませんよね、「stalk(忍び寄る)」という動詞に「-er(人を表す)」を付けて「stalker(ストーカー)」。
この言葉は、日本では1990年頃に広く浸透した訳ですが、アメリカなんかでは、1950年頃に現在と同様の意味で広まってました。
っていうか、1920年頃には既に米国の社会学者がそう定義してなかったっけ、という記憶があるのですが、ソース見つけられなかったww

ただ、この「行為そのもの」は、日でも米でもどこの国でも、遙か昔から普通に存在してました。
当時は、日本では「変態」とか「つきまとい」とか「出歯亀」とかの表現しかできなかった訳ですが、これらの「妄執的な追跡行為」を、うまいネーミングで総称してやる事によって、「ストーカー」という概念となって浮かび上がり、皆に認知された訳です。

今まで明確に定義されていなかった事象が、良いネーミングをされる事によって、皆の共通意識の中に「ああ、あれのこと?」と、きちんと理解され定着する。
聖書の中にも、この「名前を付ける事によって概念を浮き彫りにする」って事を示唆してるエピソードがありますが、そういう意味で名前って大事なんです。

自分の真名を知られたら魔術師は力を失います。
リアルネーム割られたら、ネットでは永遠に晒し者です。
某掲示板で適切なコテハン付けられたら、もうそのコテから逃げられません。

名前ってそういうもの。


で、冒頭の「犯罪者を集団で叩くインターネットのネットワーク、その有り様は是か非か」ですが、端的な話、俺は「是」だと思っています。

というのも、「ネットのおまえらがやってる事も、いじめの加害者と同じいじめだろ」という至極もっともな反論があるのですが、俺は「ネットのおまえらがやっている事」は、「いじめ」だとはあまり思っていません。

昔々、まだ人類の社会が未成熟で、法律が出来てなかったころ、人々は様々なしがらみの末に「ヒドい目に合わされたら、ヒドい目に合わせた方に相応の罰を与える」という制度ができました。最も古く、最も有名なのがハムラビ法典ですね。
まぁ、こんな例を持ち出すまでもないのですが、人の争いを「公平に収めるべく」、因果応報を司る「法律」というものが、どこの国どこの時代においても、普遍的に誕生しました。
その背景には、人の必然の要求や感情があるのです。

例え話をするなら、明日から、この世界に法律…例えば「刑法」がなくなったとしましょう。
殺人、強盗、何でもオッケー! って事になったら、どうなると思います?

とりあえず、お金持ちは武装して私兵部隊を作り、怪しい奴は片っ端から皆殺し、となるのは目に見えてます。
「刑法ないって最高じゃーん!?」とか言って好き勝手始める情弱は、制度開始5分くらいで即死ぬ。

ってかね、バトルロワイアノレみたいな殺し合い、犯罪者や殺人鬼がうろうろする世界って怖い訳よ。
MMOでPKプレイヤーに逢うの恐ろしいでしょ?
MHでもDQNプレイヤーに逢ったらフレに呼ばれたくなるでしょ?
極悪ないじめっ子や、凶悪な不良が居る学校に、子供行かせたくないっしょ?

そういう風に、「野放しの基地害を忌避する本能」は、誰の中にも存在します。
もっと自然に言えば、「人に害なす野生の獣は安全のために駆除しよう」という気持ち、と言った方が分かりやすいかな。

誰だって平和に、穏便に暮らしたい。

その人々の気持ちを具現化したものが法律、目に見える罰にしたのが裁判所、制度にしたものが警察。
つまり、「罪人は罰されなければならない」という法律の土台には、人々の「野放しの基地害を忌避する本能」という、人間としてごく自然な感情がある、って言いたいんです。
この感情を、仮に「平穏要望」と名付けましょう。


で、このOOT市のイジメ事件の場合、もうイジメじゃなくて大規模な「殺人の隠蔽」ですよね。

殺人犯が生まれたら、その周囲の人間には、その加害者を遠ざけようとする「平穏要望」が生まれます。
この生まれた「平穏要望」は、公権力である学校や警察がちゃんと機能し、問題を解決すれば解消、鎮静化します。
しかし、学校や教育委員会や警察がそれを隠蔽してしまったんじゃ、周囲の人間の心の中に不安として溜まり、行き先のなくなった「平穏要望」は、どこかはけ口を求めて溢れ出します。
この「平穏要望」の奔流が、ネットの中の炎上現象の正体だ、と俺は言いたい訳。

「こんな法律を守れねぇアナーキーな連中(=OOT市の学校、教委、警察)が近くに居たんじゃ危なくて仕方ねぇよ!」
という、生存に根ざした防衛本能が、基地害…いえ、加害者を社会的に抹殺するまで(=自分の周囲からいなくなるまで)の、自衛的攻撃行為を取らせる訳です。


ただ、ネットの中のこの現象も、全てが「平穏要望」で一くくりに解説できる訳じゃなくて

・単に人を叩きたいだけの便乗愉快犯
・勘違いした正義感の人
・金持ってそうな人、楽して生活してそうな人に対する羨望と怒りを抑えきれない人

なども混じっているので、それが問題をややこしくしています。
まぁ、相手の葛ぶりによって炎上の度合いも違いますので、あながち外れてもない、とは思うのですが…。


で、結論。
俺が「犯罪者を、集団で叩くインターネットのネットワーク、その有り様は是か非か」を是だと言ったのは、倫理的な善し悪しではなく「人の生存本能(平穏要望)に根ざして自然発生的に生じるために、是」という意味なのです。

誰だって、このイジメ…というより、殺人事件とその隠蔽の成り行きを見れば、大抵の方が「胸くそ悪いなぁ」って思う事と思います。 その気持ちは人として自然なこと。
そうでなければ、デヴィ風神はじめ、これほど多くの人が話題に上げたりはいないでしょう。


なお、俺の今回の論拠は、若いころ読んだ、ホッブズの「社会契約論」が元になっています。
人があるがままの姿でいる「自然状態」は、当時は思考実験の域を出てませんでしたが(※だからロックとかが反論してた)、今ではネットの中こそが、一種の「自然状態」になっていると思います。
しかし、結局どんなカオス状態になろうとしても、人は秩序をある程度求め従属したがります。
人が社会契約する国家理性を「リヴァイアサン」というならば、ネットの中の混沌とした秩序を「レヴィアタン」と呼んでも良さそうなもんですが、どうだね。

(※以下、wikiからの社会契約論・自然状態の引用)

「万人の万人に対する闘争」。
ホッブズは、この有名な文句で自然状態において個人が基本的に平等で、それゆえに競合状態にあることを端的に表した。
ホッブズによれば、個人の能力はほかの個人を完全に従属させるほどには不平等なものではない。
また人間にはほかの動物と異なり、理性という予見能力があるので、動物が現に生存を脅かされたときのみ生存の危機を感じるのに対し、人間は未来の生存の危機から現在の生存を守ろうとする。
現在のみの生存が現に生きていることによって保証されるのに対して、未来の生存はいまだ明らかにされていないのだから、保証されることがない。
ゆえに人間においては生存の優位はつねに相対的である。
そのため未来の生存を確保するための欲望は際限がない。
またこのような未来の生存を確保するために暴力などの積極的な手段に訴えることは自然権として善悪以前に肯定されるものとされた。
前述したように、個人の能力は他人を完全に従属させるほど強力ではないから、このような競合状態は基本的に永遠に続く。

ところで、個人にとって最大の不幸は死、とりわけ自分の意志に反して他人の暴力によってもたらされる死である。
他人の暴力は他人の自然権に由来する者であるから、自然権は矛盾を孕んでいることになる。
このことから予見能力としての理性は「各人の自然権を制限せよ」という自然法を導く。

さて自然権は理性の予見能力に基づいていることから、自然権を制限するということは理性、すなわち判断力を委ねることである。
社会契約とは、ある一者に自然権の判断を委ねることである。
社会契約により個人は暴力も、ましてや生存権も放棄するものではないが、社会契約の結果としての国家理性、リヴァイアサン(※外部からの力の比喩)に自然権の判断を委ねるのである。
ホッブズにおいては自然状態は不完全で、自己完結していない状態と考えられている。

ホッブズにおいて注意すべきことは、社会契約を結んでリヴァイアサンが形成されたとしても、個人間の闘争が決着するのみで、リヴァイアサン同士の闘争は永遠に続くということはカール・シュミットの指摘するところである。


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しかしどういう経緯を辿ったか、最近はオリジナル小説を更新中。

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